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早いもので、先代の師匠から頂いた名前をそのまま、社中の合同発表会の会名にさせて頂いてから、はや15年の歳月が経ちました。その間に、個人、団体、公共ワークショップなどで、少しでも能の体験や指導をさせていただいた方は千人を超えるのではないかと思います。
その中で、趣味として、教養として、あるいは稽古事として継続的に謡や仕舞を練習される個人やグループを指導させて頂いておりますが、その生え抜きの方々の合同発表会を、この度、喜久謡会創立15周年記念発表会と題して、国立能楽堂で開催させていただきます。
今年は震災もあり、開催を再考しましたが、私をふくめ、皆それを励みに、ここ数年は稽古に励んで準備をしてきましたので、予定通りに開催させていただくことに致しました。
今回は、時間の都合で、舞ばかりの番組になりました。仕舞、舞囃子、能と一日中休み無く舞台が続きます。
プロの能楽師が地謡を謡って、また演奏をして賛助出演して頂き、いわゆる素人衆が主役(シテ)を勤めて舞う舞台です。キャリア20年以上のベテランから初心者まで、賛助出演のプロの能楽師とアマチュアの出演者で総勢80人近い出演者になります。玄人の地謡を聞くだけでも、面白いと思います。
参加者一同、楽しく真剣に稽古に取り組んでいますので、玄人裸足の立派な舞台から、妙技、珍技まで、親しみ易い舞台が繰り広げられます。
当日は入場無料(撮影録音は禁止)ですので、どなた様でも、能や舞ごとに興味のある方は気軽にご来場下さいませ。能というと、また国立能楽堂というと、敷居の高いイメージがありますが、愛好会の会員発表会という形式なので、一般の方や他でお稽古などされている方のご来場も大丈夫ですので、お友達を誘って千駄ヶ谷に来てください。休憩はなく、一般公演のようにお客様におかまい出来ませんが、出入り自由、全席自由ですので気軽にプラリと数番の演目をのぞいて帰るもよし、一日腰を落ち着けてご覧になるもよしです。(運営上、当日の席の予約や確保は出来ません。まあ、大劇場ですから、満席になるという事は、ないのではと思いますが、席の問い合わせは受付ておりません。また、セキュリティの事から、貴重品のご持参はお控え下さい。)
玄人の公演とはひと味違う舞台がご覧になれるかもしれません。楽しみにして下さい。
能は、来年の教科書に載るという噂の「羽衣」です。面。装束の力も借りて、なかなか美しい舞台が出来そうです。今回のプログラムでは、舞囃子は、初心の中之舞の曲目が多いですね。ベテランの方は、プログラムの後半ですね。いずれも楽しみな番組なので期待しています。私は、最後の方に、仕舞で邯鄲の夢の舞を舞わさせて頂きます。能では子方の舞なので、なかなかやる事がないのですが、一度仕舞でやってみたかったのです。フフフ。
515-1裏dai