能楽夜ばなし

能楽師遠藤喜久の日常と能のお話

所沢ミューズ

触れてみよう能楽の世界 info mart 公開

さて、続々と今年の催しの情報が解禁になりまして、新潟に続きまして、所沢ミューズさんの夏の催しのお知らせが、早くも公開になりました。

また劇場の情報誌に特集されましたので、併せてご覧ください。

info mart のpdfリンク 劇場トップページからも行けます。
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/infomart/pdf/infomart_vol124.pdf

触れてみよう能楽の世界
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20230826/

プレ講座
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20230812/

能楽ワークショップ
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20230810/


のんびりまだ先と思っていると、あっという間にやってきますね。
是非新年度の手帳にご記入下さいませ。
宜しくお願い申し上げます。


公演直前 土蜘蛛のおはなし

いよいよ明日は所沢ミューズ新春能ですが、劇場は安全対策も万全で、予定通り準備は進んでいます。
全ての開催条件を余裕を持ってクリアし、静かな客席に向けて厳かに終息の願いを込め天下泰平を祈願する神歌から粛々と勤めて参りたいと思います。

今この状況だからこその舞台を精一杯勤めさせていただきます。


ネットを検索していたら7年も前に土蜘蛛についてこのブログで書いている私の記事に行き当たったので再掲します。その頃の聞きかじりを書いてます。
http://noh.blog.jp/archives/52354976.html

この時はミューズの小ホールでの催しでした。この時の掲載写真は、昔の舞台の設備がない頃のものですね。最初は劇場の方も能楽をよく知らなくて、がらんとしたホールでやっていたのです。
あれから20年近く経ち今回はホールで、仮設の板敷の立派な能舞台が作られます。


昨年のNHKのヒストリアという歴史番組を見ていたら、真実の源頼光は貴人のボデーガードで、英雄と呼ばれるような働きはしていなかったと再現ドラマで描かれていました。
頼光ファンとしては大変興醒めですが、その頼光を英雄にしたのは誰あろう、足利義満とか。
義満云えば世阿弥を見出した能の恩人的将軍。この人の何かしらの意思が働いたのではとの事。
義満が先祖の頼光を自らを重ねて英雄に持ち上げることで、自らの権威付けにしたのではとの説でした。
さあらば、頼光が活躍する鬼退治の能が創作されたのも頷ける。
この辺りもう少し詳しく知りたいとテレビを見ながら思ったのでした。

伝説は人によって作られるという事かな。

能はその伝説を更に脚色して劇化して何百年も再演したきたのだから、面白く出来ているわけです。


ミューズページへ

では、宜しくお願いいたします。




ラジオ放送のお知らせ

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明日NHKFMラジオで、謡いにお囃子の入った番囃子という形式のプログラムが放送されます。
ご視聴下さいませ。

エビラと読むタイトルで、源平の戦の最中、腰に付けた矢を入れる矢筒の箙(えびら)に、梅の花を挿して戦った梶原景季の物語。
源氏の板東武者にしては風流な事をすると、都の平家の人々には思われたのですね。

今も神戸市三宮の生田神社には、史跡の梅が咲いてると思います。

ラジオ収録の時は、スタジオも感染対策で皆離れて謡ったので、いつもと勝手が違いましたが、どんなふうに収録されてるか。ドキドキ。

謡い(ウタイ)というのは、聞いた事がない曲は、謡本のテキストがないと、なかなかヒヤリングが難しいと思います。
漢字の音読みとか、現代使わない言葉も多いのでパッと聴いても意味がわからない言葉も多々あります。
でもわからないなりに聴いていただくと面白い事もあると思うので、是非ちょっと聴いてみてください。

謡いを嗜んで自分で謡い出すとかなり面白いんですけどね。
神男女狂鬼、色んな曲もあるし。神話から伝承、日本の歴史な事件の物語とか、曲の多様性は勿論ですけど、声の響きとか、深い息遣いとか独特な強さがあって体が震えます。
根源的なエネルギーを絞り出してくるというか、生きる!って感じがして楽しいです。

私もアマチュアの方々のお稽古をするのですけど、今はリモートや配信に切り替えた方が多いのだけど、画面越しでも声ふり絞って稽古して続けられるのは、なんか謡っていると元気になれるからなんだと思います。

というわけでお時間ある方は是非ご視聴下さい。

1月9日土曜日の
所沢ミューズ新春能は、今のところ予定通り上演と、年末にうかがっているので粛々と準備しています。
お席はありますので、今からでも是非。
新年4日から営業とのことです。



第15回 触れてみよう能楽の世界のご案内

↑MUSEホームページリンク

皆様、いかがお過ごしでしょうか。
自粛生活にも慣れて、お元気でお過ごしでしょうか。
39県で非常事態宣言が解除され、幾分明る兆しも見えてきました。このまま少しづつ収まってくれると嬉しいですね。

さて東京都埼玉県は未だ非常事態宣言中で、私も自粛中ですが、八月末の公演のご案内を所沢MUSEさんからいただきました。

触れてみよう能楽の世界。
今年で15回目。
能楽お話講座と能がセットになって全くの初心者も楽しめる普及公演です。

当然ながら劇場は、運営ガイドラインがありますから、客席を減らすなど対策を取っての催しになるとのこと。

今年は例年の所沢ミューズの七月八月の夏の仕舞体験ワークショップは行わないと決定しておりまして、普及講座の公演のみ行います。
今年ワークショップがやれていれば累計参加者は実に800人に迫る実績ある体験講座でした。
今後は、新しい生活様式の新しいワークショップのやり方に方向転換して取り組んでいきたいと思っております。

所沢MUSEさんは、今年の春、一年半ぶりにリニューアルオープンしようとした矢先に休館を余儀なくされ、今回これがリニューアル公演シリーズ第一弾になるとの事です。
私も祈るような思いです。

どうかお客様も出演者、スタッフも安全安心に行えますように。
こちらも色々思案してやりたいと思います。
どうぞ宜しくお願いします。







触れてみよう能楽の世界 鉄輪(かなわ)



今年も所沢ミューズのワークショップと同時に行われる「触れてみよう能楽の世界」では、能の上演をいたします。
今年は、ちょっと夏向きなホラーなお話。
丑の刻参りの女と陰陽師安倍晴明の調伏のお話を題材にした能「鉄輪」

この鉄輪(かなわ)というのは、鉄で出来た五徳。
今でもヤカンを火にかける時に使ったりしますよね。(しないか。)

そんな形状をした呪術用の道具です。

それを逆さにして三本の足にロウソクを立てて頭に載せるのですね。

で、丑の刻というのは、深夜2時頃。

漆黒の闇の中に、裏切った男に呪詛をかける女がひとり現れるのです。

怖い。。。

暑い夏に、少し背筋が涼しくなるお話です。

映画やテレビでは、安倍晴明が大活躍ですが、能ではこの女にスポットを当てて、こちらを主人公にしているのです。

ただのホラーではないところが、能の凄いところ。

人の儚い切なる思いに触れるのですね。

というわけで、

今年も面白い宣伝PVが出来てしまったので、お楽しみください。


昨年も冒頭に私が語ってるのですが、これって、もともと別の方が解説として挿入するシーンをデモ版として私が代役で撮影したものを、制作の都合でそのまま使うことになってしまったもので、(←言い訳のようだけどホントの話・汗)
年々演出がエスカレートしてきてるんじゃないかと。。。

これはあくまで、宣伝用のイメージPVなので、当日の舞台は普通の能公演であることを、お断りしておきますね。

ただ、今まで能に触れたことにない方が、このPVを通じて興味を持って下さったら嬉しいです。

どんなものなのか、是非一度劇場に足をお運びください。


公演は、まだ少し先で8月27日(日)ですが、

明日5月27日よりチケット発売開始です。
ミューズの音楽ホールに特設舞台を作っての普及能楽講座ということで、チケットはお求めやすい2,500円となっております。
今回は第二部の能の上演前に能面師 新井達矢さんによるお話もあります。
またロビーでは、能面の展示を予定しています。
チケットを買って入場した人だけがご覧になれます。

公演の第一部には能楽ワークショップの成果発表もあり、盛り沢山ですね。

能楽堂とは違った趣きで、能に気軽に触れていただければと思います。

詳しくは、所沢ミューズにお問い合わせ、お申込み下さい⇒所沢ミューズ

所沢ミューズ能楽仕舞ワークショップ2017


所沢ミューズワークショップの案内のショートムービーです。

今年も所沢ミューズで能楽仕舞ワークショップの募集が始まりました。
もうのべ600人以上の人と稽古を重ねてきました。
おかげで私も、構えや運びや型や発声の基礎を毎年毎年皆さんとみっちり稽古する事が出来ます。
若い方から、私よりも年配の方々まで、皆さんと心身を鍛えながら楽しく能について考えたり感じたりして行きたいと思います。
今年もよろしくお願い致します。

所沢ミューズワークショップ始動

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累計600名を超える参加者となった夏のミューズの風物詩。
能楽ワークショップが昨日よりスタート。
今年も老若男女多くの申し込みをいただき定員超えでスタートです。
最後までくじけずに頑張っていただきたいです。

初日は、昼夜と基本レクチャーと総合練習から始まりました。

構える、すり足をするってことに、一日中取り組んでもらいました。

能は身体表現芸術ですから、演じる自らの体を使って物語の世界や役の人物の心象を表現します。
謡いとセリフによって描かれる目に見えない世界を演者の体で表現するわけですから、
どう形に表すかはその人次第です。
型や決まりごとはありますが、それを使ってどう表現するかは演じ手次第なのですね。
美しく形にするのか、そうでないか。
正解はありませんが、このワークショップでは、可能な限り美しさを目指しています。
形の無いものを美しい姿で表現する。

7週間後、参加者がどれだけ美しくなっているかを見るのが楽しみです。

今週は、
「諸国一見の能楽師 IN 北海道 義経伝説を追え」ということで、取材と社中有志の旅行会をかねて道東に行ってきました。
いずれレポートを書きたいとおもいますが、とにかく天気に恵まれて今回もまた素晴らしい旅になりました。
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一度行ってみたかった霧の摩周湖。

見事に晴れて美しい瑠璃色の湖面を見せてくれました。
竹生島のように、小さな島があります。カムイシュ島。


妖精王って漫画に子供の頃はまったのを思い出しました。
佐藤さとるさんのコロボックルシリーズにもはまったな。
3日間で1000キロを走破して、北海道の自然を満喫しました。

8月21日
ミューズ「触れてみよう能の世界」も候補湯発売中です。

所沢MUSEワークショップ能楽仕舞ワークショップ締切間近

何度か紹介してきました、仕舞体験を通じて能の魅力を探る、所沢ミューズ恒例の仕舞ワークショップも成人の部は締め切り直前です。
8年目の今年も好評で定員に達したようですが、期日いっぱい追加募集をするそうです。
私にとっては30人も35人もそんなに変わらず、どのみち毎年私はクタクタになるまでやるので(笑)
内容、施設、期間、料金、そして講師(笑)ともに日本一を自負する折角のワークショップに是非ご参加くださいませ。楽しい夏をご一緒に過ごしましょう。小学生と青少年の部はまだ締め切りが先ですので、夏休みを調整して参加下さい。
中学生は、教科書に「羽衣」の謡いが載っていますので、子供達の部では、例年通り仕舞の他、謡もやりたいと企画を相談中です。
出来れば「羽衣」の東遊びを子供達と謡たりしたいなあ。最後までだとちょっと長いかなー。でも、子供達ってあっという間に暗記してしまうんですよね。楽しみです。沢山おの応募お待ちしてます。

ワークチラシ表1


能楽ワークショップ 所沢ミューズ

早いもので今年も夏の所沢ミューズの能楽ワークショップの応募が始まりました。
基礎の仕舞の型や謡の稽古を通じて、能を身近に感じたり、考えていただこうと始まった体験型能楽講座。
毎年好評を得て今年8年目に突入。今までに受講者のべ350名となり、私も指導しながら多くの事を学ばせていただいている思い入れのある講座です。
能の舞の基本的な型は大変シンプルですが、それ故のむずかしさと美しがあり、習字の一の字を書くような、一見簡単なようで、そこに多くが含まれる奥深さがあります。
台本によって描かれた世界が、この型と結びついた時に多くの表現を生み出します。
リアルな動きを持った演劇や舞踊やパントマイムなど、身体表現芸術は沢山ありますが、能の動きはもっともシンプルで説明的ではない動きかもしれません。
基本となる型の種類も少なく、それ故に覚えやすいといえば覚えやすいのですが、一つの無機的な型で多くの表情を生み出す多様性があり、そのシンプルな型を通じて台本に描かれた世界と繋がって行きます。
そこに能の型のもつ魅力があると私は考えています。

このワークショップでは、基礎の基礎の練習を通じで能の魅力に触れていただこうと考えています。
習字で云えば、楷書の一、二、三を書く練習に近いかな。しかし、実際は体を動かすわけですから、それなりの運動量があります。
その基本技術を使って簡単なお仕舞を完成させます。
また期間中に能に関する様々なレクチャーも時間の許す限りしております。
いわゆるお稽古事とはちょっと違う内容で、約2カ月間で完全に完結します。
所沢ミューズの担当者曰く、劇場の使命として多くの方が気軽に充実した体験出来るように考えているとのことであり、大変恵まれた環境で内容の濃い体験が出来ます。
能に興味がある方は、是非一度体験してみてください。
私のところに個人的に稽古を希望する方も、まずこの講座を勧めています。
また、稽古事として入門された方も、ここに入り直して基礎を学んだりする方もいるので、普通の稽古とは違う面白さがあるようですね。
毎年50人近い小学生から上は80歳位まで世代を問わず沢山の受講生が来ますので、学校のサマーキャンプみたいな感じです。
そんなわけで7月8月はこれに打ち込んでいますので、よろしければ是非。

過去の情報がここにあります。劇場ホームページ内⇒開催記録                   私のホームページにある昨年のミューズワークの項目⇒遠藤喜久ホームページ内
劇場申込み案内⇒チラシPDF
ワークチラシ表1

能を体験してみよう プレ講座明日締切

劇場から明日締切との連絡ありました。駆け込みで是非参加してみてください。
明日は武田神社薪能、天気よさそうでね。安心しました。面白いと思います。

所沢航空公園にある芸術劇場所沢ミューズのスタジオでワークショップを致します。
毎年夏の2カ月間に開催される所沢ミューズ主催の能楽仕舞体験講座のプレワークショップです。
この日は、1時間の体験教室で親子参加OK、また毎年小学生から成人男女また上は80歳位?までの元気な参加で賑わいます年齢性別を問わない簡単な体験講座です。
夏に開催されるワークショップ今年8年目。気が付けば実に350人が体験された能楽ワークショップです。

まず5月の講座は、全く初心者のための能楽レクチャーと、舞の動きと歌などを体験して頂きます。
体験を通じて日本文化と能を感じて頂けたらと思います。

講師は、私が勤めます。難しいことは全くなく、新しい発見と体験のある1時間です。
能や仕舞や謡に興味を持った方は是非遊びに来てください。
申し込みは劇場まで→クリック526-1

526裏-1

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プロフィール

nohgakuhanabutai

観世流能楽師(能楽のシテ方 演者) 日本能楽会会員(重要無形文化財 能楽(総合認定)保持者 幼少より子方を勤め、東京神楽坂の矢来能楽堂で修行し2千以上の能楽公演・講座・コラボ舞台に出演・制作。毎月、矢来能楽堂定期公演に出演。 能楽重習曲、乱・石橋・道成寺・望月・安宅・砧・翁など披瀝。 また東京中野区・練馬区・所沢市・秋田県を中心に稽古と普及活動をしている。(公社)観世九皐会 能楽協会所属 日大芸術学部卒業 
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