NHK大河ドラマの麒麟がくるの能楽シーンに、同門の坂君が出ているというので最近楽しみに観ています。
で、このドラマ、女性が座る時、立て膝をする演出なのでオヤと思いました。
なぜなら、室町時代より伝統を受け継ぐ能の世界に出てくる女性の座り方は、舞台上、この立て膝が一般的だからです。
能の世界ではごく普通の事ですが、あまりテレビでは見かけないので、ほーっ珍しいなと感心。
この立て膝は、折敷なんて言い方もします。


能に登場する役の座り方は、この片膝か、安座(あんざ)
安座というのは、現代のあぐらに少し形が似ていますが、お尻は床ではなく足の上に乗せます。

正座というのは、能の役の演技では、あまりないかな。極稀に膝を崩す型の時くらいでしょうか。

狂言の方ではありますね。

地謡方や後見、また床几から降りた囃子方は正座です。


また、この立て膝の座り方は、男性の役でも通常は立て膝です。
稀に安座になります。

今回のドラマ、当時の時代考証でそうしたとの記事を見ましたが、この座り方、実は15分も座ってると、とてもキツい。
姿勢を保つのも、足に体重がのるのも、結構筋肉に負担がかかります。
また、右足の甲に体重が乗るので人により豆やタコ出来たりします。
また、この立て膝にも、どっかりと座ったり、腰を浮かし気味に座ったりと、人により役により、やり方があります。

テレビを観ていると、女優さんが、長時間の撮影でそれなりに苦しいと思うけど、本番のシーンで、スッと立たれるので、さすがだなと思いました。
一年もやっていたら、能舞台でも格好良く座れるようになると思います。

家で試しにやってみるとわかるけど、姿よく30分座るのは大変。
特に女性の役は、膝を大きく割らずに座るので、筋力も必要です。
で、足が長い人の方が大変かも。
今の若い現代人向きとは言い難いです。

能では、ワキの役者さんが、この座り方が普通で、1時間以上座って、スッと立ったりすると、心の中で拍手です。
それ位キツい。装束の重さもありますから、かなりの負荷です。
ワキの役者さんは、片膝座りのプロなので、普通の正座の方が痺れるという人もいますね。

若い頃は、シテ(主役)のツレの役で、大曲になると1時間以上、じっと座って動かない役も多く。足や腰、背中の筋肉がバンバンに張って、また痺れた足でスッと立って帰るのが大変だったのを思い出します。
痺れてよろけようものなら、大恥なので、もうその瞬間は、気合(笑)

観る機会があったら、是非ご覧ください。

能楽は、はるか昔のこのドラマの時代以前から行われていて、今に受け継がれています。
その火を絶やさないようにしたいですね。

チラシfly2web

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本年5月24日(日曜日)に、神楽坂矢来能楽堂にて、第九回遠藤喜久の会を

「源氏物語 生け花のある能 半蔀 立花供養(はじとみりっかくよう)」と題して

催させていただきます。


公演は、まだ少し先ですが、どうぞご予定下さいませ。

本年は、亡き父、六郎の七回忌にあたり、また、母の一周忌と重なりましたので、
~亡き父母に捧ぐ~と、チラシにも入れさせていただきました。
他向けの舞台になればと思います。
どうぞよろしくお願い申し上げます。



*コロナウイルス等の国内事情により、変更が生じる場合は、

このブログ・ホームページにて、ご案内いたします。




チケットのお申込みは、

矢来能楽堂観世九皐会事務所 3月16日11時~

03‐3268‐7311(土日祝日休み 留守電有 夕方5時迄)

又は

矢来能楽堂ホームページサイトより申込

矢来チケット クリックjump!



又は

カンフェティチケットセンターより購入 3月16日11時~

Confetti[カンフェティ]

Confetti(カンフェティ)・・・お得な公演チケットサイト

WEB予約 http://confetti-web.com/ 電話予約 カンフェティチケットセンター 0120-240-540(受付時間 平日10:00~18:00)
≪WEB予約の注意事項≫

・ご予約前に、お得な公演チケットサイト「カンフェティ」への会員登録(無料)が必要となります。

・セブン-イレブンへの発券手数料がかかります。

≪電話予約の注意事項≫

・払込票番号を予約時にお伝えしますのでメモをご用意ください。

・お電話でのご予約の場合、会員登録は不要です。※カンフェティポイントは付きません。

・予約有効期間内に、払込票番号をお近くのセブン-イレブンのレジまでお持ちください。



今回、父の七回忌が5月でして、また、母の一周忌でもありまして、父母への手向けの気持ちで、半蔀・立花供養という特別な曲を、源氏物語を題材した作品の仕舞と合わせて企画公演の形で上演させていただきます。
華道家の横井先生とご一緒するのも、本当に久しぶり。15年ぶりかな。
その時は、劇中能という当時新しいスタイルの劇場公演で、大竹を50本以上使った壮大な花のオブジェの舞台美術に作ってくださった。父がこの時、玄宗皇帝役でご一緒しているのです。
「美しき夏の夜の幻」というタイトルでした。
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その時に、横井先生が、いつか立花を生けたいとリクエストされて。
いやいやそんな特別な曲、父なら出来るかもしれませんが、私にはとても無理ですよと。
何十年もかかりますよと。
それが今回、こんな形で実現するとは。

この公演で、全編をストリーテラーの役で共演していただいたのが、今回ご出演予定の善竹十郎先生。
いろんなご縁と教えをいただいた公演でした。またご一緒出来て嬉しいです。