能楽夜ばなし

能楽師遠藤喜久の日常と能のお話

野宮

野宮 解説2(終)

ちょっと会が立て混んでで来て、その上、公演が近づき稽古や準備で慌ただしいのですね。
と、言い訳をしてから野宮の話。
当日公演用に解説というか、語訳を作成したので、ここではあまり書くのをやめようかと(笑)
このお話が、源氏物語の後日談的に書かれたものだとわかれば、あと言葉がわかれば、余計な説明は、かえっていらないだろうという気がしてきました。

序ノ舞も、型それ自体に具体的なストーリー的な意味はないと、思っていただいて良いと思います。
観たままに感じていただけたらよいと思います。
でも、もう8月に葵上をやって、春からこの公演の準備をずっとやってきた私としては、いつも六条御息所がいたわけで、一人で序ノ舞の稽古をしていると、いろんな思いというか、源氏物語の場面とがが勝手に浮かんでくるような気がするのですわ。そこに東宮や源氏も現れるような。。まあこれを人は自己満足というわけですが(笑)
だからなかなか無心には舞えないのです。能の演者は空っぽがいいのか、中身一杯がいいのか、どっちがいいのでしょうね。巧まずにやれたらいいと思います。結局のところ成るべくして成るところに行くのです。その最初の行き筋が、巧まずに成るべくとろこに行けたらいいのですが。

序の舞は、言葉に出来ない思いを、舞うのだと、どなたからか昔聞いたわけですが、そういう感覚は確かにあるわけですね。
この曲は、原作もしかっりあって、六条のキャラクターもはっきりしているので、自然とそんな感覚になるのかなあ。
型の動きとしては、凄く簡単に云ってしまうと、出る型と下ル型と廻る型しかないのです。しかし、それは案外、いろいろな事の根っこに通じているのですね。実に能の型は、よく出来ているのであります。

野宮は、破ノ舞という短くて、少し早く強く囃される舞が、序の舞の後にあるのですが、これは、より六条御息所の激しい内面を表していると言われます。ですから、やっぱりギュッとなるというか。そうなりますね。舞台の最後のここら辺りまで、しっかり持っていけたらいいのですが。矢来の舞台でも、1時間45分は、どうやってもかかりそうな。ちょっと重く入ったら2時間は当たり前にかかる曲であります。長い!!とお客さまに言われないように、頑張りたいと思います。

この曲の最後の終わり方が、有名でありますが、結局のところ、御息所は迷いを抜けて、成仏したのかどうか。
問いかけるように謡い終わるのですね。
これは当日ご覧になっての感想を伺いたいです。
さて、どうなりますやら。よろしくお願い致します。


9月25日の野宮の解説 1

先日、所沢で事前講座を致しました。
やはり、この曲は、少し解説をしませんと、初心者の方には、よく分からない部分が多いですね。
今回、朗読を聴きに、初めて能を観る方も多いので、気になります。

当日まで、徐々に書いていきたいと思いますが、果たしてこのブログを見てくださるか(笑)
当日は、源氏物語の葵上と賢木のところを少し現代語で朗読していただけるので、源氏物語に関しては
大丈夫かなと思います。

能の「野宮 のみやと書いてののみやと読ませます」
この曲は、源氏物語を踏まえた後で、後日談という形で、物語られているということ。
したがって、ある程度、源氏物語の六条と源氏の二人の関係のいきさつを知らないと、
なんのこっちゃということになります。

現代語ならば、能だけ見ても分かるかもしれませんが、なんといって、能は古典台本であり
しかも、謡いで聴くと、聞き取れない初心者も多い。
しかも、前半は、会話風になっていますから、動きが少なくて、謡いで聞かせる場面が多い。
話の筋も、現代劇のような、起承転結ではないのであります。
舞の型も抽象的。

言葉わからず、筋が分からずで2時間は厳しい。
でも、詞章も美しく、風情もあり、とっても素晴らしい名曲なんです!!!

ここをなんとか、解決して、初めての方にも、能を楽しんでいただこうと思います。以下クリック!
まずは、言葉の部分は、ホームページに解説を交えて、私なりに現代訳しましたのを載せています。
まずここを参考になさってください。





遠藤喜久の会チラシ第二段。

今週末は、私は横浜公演なんですが、9月に私の会で朗読をしてくださる飯島さんが、
博品館劇場に出演。「朗読の日」という催しです
以前に矢来能楽堂で、朗読と能という催しで共演した方々が大勢ご出演されています。
そこで、私の九月の公演の宣伝?をして頂けるということで、急遽増刷しました。
今度は、バージョン2ということで、色は赤であります。赤web用

実は、これが最初に作成されたのですが、今年の夏は暑そうだということで、青バージョンが最初に出たのです。
果たしてどちらが評判いいか。大増刷したので、もうドキドキであります。
ホームページもついでにトップを改装しました。
前とかわらなという方は、ブラウザーの更新ボタンを押して下さいね。ブログも時たま、更新ボタン押さないと、かわらないことあります。

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プロフィール

nohgakuhanabutai

観世流能楽師(能楽のシテ方 演者) 日本能楽会会員(重要無形文化財 能楽(総合認定)保持者 幼少より子方を勤め、東京神楽坂の矢来能楽堂で修行し2千以上の能楽公演・講座・コラボ舞台に出演・制作。毎月、矢来能楽堂定期公演に出演。 能楽重習曲、乱・石橋・道成寺・望月・安宅・砧・翁など披瀝。 また東京中野区・練馬区・所沢市・秋田県を中心に稽古と普及活動をしている。(公社)観世九皐会 能楽協会所属 日大芸術学部卒業 
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