昨日は九皐会矢来能楽堂の公演に、秋のお忙しいところ御来場賜りまして誠に有難うございました。
懸案の山姥白頭でした。
終わって見ると予定の1時間半をゆうに超えまして、長丁場の舞台となりました。
囃子方や地謡の皆さんも大変力の入った舞台となりました。関係者の皆様にも厚く御礼申し上げます。
さて、答え合わせを少ししますと、今回、前シテは、通常の深井や霊女ではなく、それに近い痩女の面を使い、自然と装束も渋い落ち着いたとても古い色柄のものになり、良いものがお借り出来ましたので今回はこれで決まりました。
少し安達原の女に近いイメージですが、御伽話のちょっと不気味で、でも少し柔らかい不思議な山姥のイメージに近づければと思いました。
後半は、写真のようにとても良い名品の山姥の面と厚板唐織の装束をお借り出来まして、太い毛のエイジングの素晴らしい白頭、そして、よし葦引きのと山姥という謡いに掛けて、葦の絵柄の装束(これがなかなか力強い柄でピッタリ)と、まあどれも初めて着させていただく素晴らしい面装束。そして、以前チラと見せましたアカシの木の白杖と、これで出立はバチっと決まりましたので、あとはもう頑張るだけでした。
あの杖の原木は一年かけて乾かすそうで、木を育てた生産者の方が遠くから舞台を見に来て下さいました。御礼申し上げます。
山姥には色々な型の伝承工夫があるとのことですが、今回はご覧の通りで、面白い感じにまとまった?
かと思います。
細かな事は、もう見たまんまですね。
喜之家の山姥は、独特の謡い方の伝承があり、特に後シテの登場場面は肝となります。
若い頃によく師匠に稽古をしていただきましたが、今回あらためてじっくりと稽古をつけていただき、これも師匠がお元気なればこそで、ありがたい事でした。昨日は野宮の仕舞を勤められました。
これで私は年内のシテは勤め終えまして、また来年に向けてコツコツとトレーニングしてゆきたいと思います。
とはいえ、年末まで公演はあるので、地謡、後見などで出演があり、それはそれで日々勉強で、あまり生活は変わりませんが。
ともかくも今年も誠にありがとうございました。
来年の九皐会の定例公演の年間予定が発表されましたが、私は6月に夕顔と11月にこれまた大曲の景清を勤めます。
その他、恒例の夏の所沢ミューズもありますし、
何かしらまたイベントがあると思うので、またどうぞ宜しくお願い申し上げます。
駒井カメラマンからいただいた写真、iphone の写真をタップしたら面白く切り抜けたので、これをUPいたします。駆ける山姥?
YouTubeに上げた音声解説は、今月一杯の予定です。まだの方は、流し聞きしてみてください。
では、誠に有難うございました。
九皐会Twitterに写真上がりました。下記リンク
https://x.com/yaraikanze/status/1724274138775478637?s=46&t=49ztX2YFyujC0IbQvsh0mQ