今朝は、三月の九皐会定期公演でシテの盛久を勤めますので、盛久ゆかりの観音様をお参りに上野寛永寺清水観音堂に参詣。
盛久の絶対絶命の危機をお救いなった霊験あらたかな観音様です。
今日は縁日という事でお坊様の読経と講話があるというので伺うと、10人以上のお坊様によるありがたい大般若経転読と観音経の読経がありました。
檀家さんと思われる一般の方も50人以上お集まりで、一緒に観音経を読むのよ、と教えて下さり、私も観音経を一部求めてご一緒に席に着きました。
能 盛久でも観音経の経巻を開き読む場面が出てきますが、これは謡いになっており、節付けもされております。
しかし本日の実際のお経は、凄く早くて、初めて謡本を読むようなもので、周りの方にとてもついていけませんでした。
これは日々声を出して読経していないとなかなか勤まらないと思います。
皆様の信仰の篤さに感動しました。
また、観音経が終わりに近づくと、なんとも言えない高揚感があり、ありがたい気持ちになりました。
盛久は、日々この経を読誦していたと言います。
そして、壇ノ浦で平家が敗戦したあと、都に潜伏し観音像を清水寺に奉納。やがて捕らえられて鎌倉に送られます。
そして由比ヶ浜で死罪となるその時、観音経を唱えて最後を迎えました。
執行人が盛久を斬首しようと振り下ろした時、突然刀は粉々に砕け、刑は取りやめになったといいます。
後日赦免となった盛久が清水寺に参ると、不思議な事に盛久の刑の時刻に観音像が倒れて破損したとの事。
まさに盛久の身代わりになったのでした。
その観音像が巡り巡って、今上野清水寺の秘仏になっており、年に一度公開されるとのことでした。
(今日はその日でありませんでした。)
観音経の後半は、とにかく心強く衆生を救ってくださる言葉が書き連ねてありまして、読んでいるだけでも力強く救われる気持ちになります。
是非皆様も機会がありましたらご一読下さいませ。
今日は、ここで私は合掌して失礼しました。
その後、お坊様に教えていただいた上野大仏に立ち寄り、お弟子さんのお子さんの受験祈願をして帰りました。
なんでも落ちない大仏様だそうで、お参りしていくと良いですよとお勧めでした。
受験生お持ちの方は、お参りされると良いかもしれませんね。合格されますように。(その後難関校にいくつも合格されたそうで、御利益あり、お礼参りに行かれたそうです。おめでとうございました)
すっかり体が冷えたので、神田駅でお蕎麦食べて帰還でした。
蕎麦は神田に限るね。美味い!