能楽夜ばなし

能楽師遠藤喜久の日常と能のお話

舞台こぼれ話

祝杯

昨日は九皐会別会
父六郎が誕生日を迎え、齢83歳
お蔭様で現役。
昨日は仕舞を勤めました。
83歳になって初めての舞台ということで、出番前に記念撮影の1枚。
なんだかプロフィール写真みたいですね(笑)
rokurou


お祝いかねて、終演後は中野の蕎麦屋で一杯。なかなか美味しかったです。

右近 この扇

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昨日は九皐会。
釆女は、二時間の大曲でした。

右近は、桜に因んだ曲なので、昨日は替えの扇を使わせて頂きました。十数年前に大先輩の会で頂いた記念の扇。ようやく初使いでした。通常は葛扇ですね。

桜葉の神は、昔、右近の桜に紫雲たなびき、日輪が降臨し、奉られた神との伝承もあり、今回は、紫骨、金地、桜の扇の出番となったわけです。

ご来場ありがとうございました。
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右近(うこん) バレンタインデー2

日曜日の定期公演の申し合せも終了。
私が仕舞を勤める「右近」という曲は、九皐会ではちょっと上演頻度が少ない曲です。
右近の馬場というところがありました。
能の物語はその右近の馬場をロケ地にしたストーリー。
そしてそこに現れる女。

それは桜葉明神の化身でした。

右近の馬場、在原業平、桜葉明神という三つのキーワードがわからないと、このお話はわからないのです。

右近とは、近衛府、ちかきまもりのつかさ。奈良時代末期以降の令下官の一つで、内裏の警護のお役目をしていたセクションとか。
近衛大将といえば、大納言クラスといいますから、大変高い地位であります。
武官の最高位で、大納言、大臣、征夷大将軍が兼任することもあったということですね。で、左大将の方が地位が高く、摂関家が独占した。
北野天満宮に祀られ菅原道真公は、右大臣、右近衛大将にまで昇った。
(ちなみに政敵と言われた藤原時平は、左大臣、左近衛大将であった。)

で、右近の馬場とは、右近衛府の鍛錬所で、内裏の西側に位置していた。
ここに、菅原道真公亡きあと、この場所に祀って欲しいと神託が降りて、今日の北野天満宮が出来たと、由緒にあります。

ちなみに能「右近」の話の中で登場する在原業平は、道真の20歳年上。
同時代を生きた人です。道真が大宰府に流されたのは、業平が亡くなってだいぶ経ってからの話です。したがって今日の北野天満宮、道真公が祀られたのは、あとの話です。業平が歌を詠んだ頃は、もっと広い馬場に桜が咲き乱れていたのではないかと思われます。
で、それよりずっと後世に書かれたこの能ですが、道真公の話は語られず桜の名所として話が進みます。

さて右近の馬場は、今と変わらず桜の名所で、そこで、宮廷行事の騎射とか行われる。
見物人も大勢出ていたことでしょう。そこに来た在原業平が、物見車で来ていた車の、御簾からちらりと見えた女性に歌を読んでいます。(すぐに歌を詠むところがさすが・笑)

それがこれ。古今集に残された歌
「見ずもあらず見もせぬ人の恋しくはあやなく今日やながめくらさむ」
色々訳文がありますが、(御簾越しに見えたようで見えないあの人が恋しくなって、今日はぼんやり、物思いにふけって過ごすだろう。)

その女性の返歌が、いいです。
「知る知らぬ何かあやなくわきていはむ思ひのみこそしるべなりけれ」
知っていようがいまいが、あなたの思いこそが恋の道しるべではないでしょうか?

うむ。バレンタインデー向きだな(笑)
ちなみにこの二つの歌は、
「見もせぬ人や花の友、知るも知らぬも花の陰に
という 詞章に読み込まれます。これは「吉野天人」でも出てきますね。

桜の下での恋歌がなんとも艶があります。

さて、「右近」の能は、そうした歌がイメージの下敷きになっていて、鹿島神宮の神職さんが北野の右近の馬場の桜を見に立ち寄ったところ、物見車に乗った女と詞を交わす。ふと神職さんが業平の歌を口ずさむ(しゃれた神職さんだ)。
すかさず女が返歌を返して、会話が弾むのでした。
やがて、その女性は、この北野にも祀られる神。「桜葉の明神」とほのめかして消える。

後半はいよいよ桜葉明神(女神)が現れて寿ぎの舞を舞うという筋だて。

私が舞う仕舞は、この桜葉の神の舞です。
能台本に曰く、桜葉の神とは「王城鎮守の国を守るめでたい御神」
同じ桜にちなんだ吉野天人にイメージが近いですが、出で立ちは女神であります。

北野に現れた桜葉の神は、御池に姿を映し、桜の梢を翔って、やがて天に昇ったという。そんな詞章に乗って舞を舞います。

桜にちなんだ華やかな曲ですね。短い仕舞ですが、爽やかに勤めたいと思います。









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こぼれ話

はや2月です。
昔から2月8月は公演がないといいますが、今日では8月は薪能など催しが例月より多い位です。でも2月はやっぱり公演は少ないかな。こんな時期はひたすら自主練です。
今年も夏秋も公演が多いので、この時期に遠藤喜久の会か、花舞台プロジェクトをしようと思いましたが、秋から自分の関係の催しが多く、今年は準備が間に合いませんでした。これからプランを練ります。秋の土日は、会場、演者ともいっぱいなので、平日も考えようかと思っています。よろしくお願いします。

さて。昨日の二位の尼の装束は、おシテの工夫で、指貫をぞろりと履いて長袴にして、水衣に花帽子に袈裟という姿。これに姥の面をかけて、玉の数珠ですから、清盛の妻に相応しい出で立ちかなと思います。立派な出で立ちで、位がつきました。

前日も明治座でご一緒した京都で活躍する味方玄さんの地謡のいわゆるクセのところが二位の尼が平家滅亡を覚悟して8歳の安徳天皇を抱いて入水するまでの場面の語りになっていて、子方を抱いて飛び込むまでを囃子と共に謡いあげていくところに、自ずと気持ちがはいって行きます。

子方のK君と申し合わせからずっと一緒でしたが、装束をつけて面をかけた私を覗き込んで、「だあれ?」と(笑)。「さっきのおじちゃんだとよ」というと「そうか、おじちゃんか」と中身がわかって安心した様子。あとは素晴らしい集中力だったと思います。

味方さんは、今年5月29日に東京公演をされるそうですのでチェックしてみてください。曲は松風だそうです。

今月の九皐会は、2月14日 采女と鵺。私は仕舞 右近を舞います。よろしくお願いします。

ブログの引越しを本格的にしないと駄目みたいなので、2月中に移行しますね。よろしくお願いします。

今日は国立

今日は観世喜正師の「のうのう能特別公演」で国立能楽堂

碇潜(いかりかづき)という能でしたが、特殊演出の今日は、私は清盛の奥さん、二位の尼役でした。安徳天皇と船から入水の場面がありました。
ラストは、碇を担いだ知盛(喜正師)の最後が描かれます。
能としては、かなり凝った演出で、大きな船やら碇も登場。
あの碇は確か兄が以前に制作した物ですね(笑)

今日の解説の方に伺いましたが、昨日の明治座近くに水天宮さんがありますが、その祭神は天地創造の最高神の天之御中主神アメノミナカヌシノカミと安徳天皇と健礼門院と二位の尼こと平の時子であるそうでした。昨日は勉強不足で素通りしてしまいました。
失礼しました。

今日は宝生流の船弁慶との二本立てで、壇之浦企画。他流の能に興味津々でありました。

1月無事に終了。皆様ありがとうございました。

今日は明治座

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今日は井上流京舞と能楽の二本立て公演。
能の船弁慶の地謡に呼ばれて初の明治座へ。
劇場ビルの前にも楽屋にもお稲荷さまがあります。

今日の楽屋は京舞の関係者が沢山いて、なんとも華やか。

明治座のロビーは、お菓子はおろか、宝石から服まで売店があります。売り子のおじさんの講釈が面白いです。

只今、一部が終わって休憩中。

入水

今日は、申し合せ一つに、ミニ公演二つとタイトな一日。
今週末に国立能楽堂で行われる「のうのう能」特別公演の碇潜(いかりかづき)があります。

わたしは壇ノ浦で安徳天皇と共に入水した二位の尼役。
この壇ノ浦で平家は滅亡しますが、その時の最後様子を能ならではの演出でお見せします。
今日は飛び込むリハーサル?(笑)
なかなかよいお役を頂きました。

今回は、国立能楽堂の最新設備の字幕スーパーも使われるようですね。
背もたれバックシートに詞の詞章が出てきます。紅白のテレビみたいに(笑)
個人的にはいらないと思いますが、若い方や初心者には好評とか。
当日の反応はいかに。
九皐会ホームページを見ると、すでに完売御礼が出ているみたいですね。
お楽しみ下さい。

俊寛1

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九皐会の公演の為、東京に戻った父と21日の俊寛の稽古。
師匠にも稽古をつけて頂いていて、少しづつ気持は向かっています。

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俊寛1

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九皐会の公演の為、東京に戻った父と21日の俊寛の稽古。
師匠にも稽古をつけて頂いていて、少しづつ気持は向かっています。

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のうのう能

今夜は矢来能楽堂での公演。敦盛。地頭を勤めさせて頂きました。如何でしたでしょうか。

連日公演が続きましたが、これで数日は間があきます。っといっても休みはないんですけどね(汗)
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