能楽夜ばなし

能楽師遠藤喜久の日常と能のお話

公演情報/告知

新潟公演のお知らせ YouTube動画追加

今度6月に新潟へ参ります。りゅーとぴあ能楽堂公演に出演します。
壇ノ浦の平家滅亡の最後戦いを物語るスペクタクルな能「いかりかづき」
「碇潜」という漢字の通り、壇ノ浦で船の大碇を担いで沈んだ猛将知盛の戦いと、幼い安徳天皇の悲劇を能ならではの激しくも美しい物語として描いています。
シテは、兄の遠藤和久。
私は、安徳帝と共に海に沈んだ二位の尼(安徳天皇の祖母、知盛の母。従二位。平の時子の異名)を勤めます。
今回の特殊演出では、安徳帝の最後も詩情豊かに描かれます。平家物語のクライマックスです。

また私は、仕舞「頼政 ヨリマサ」にて、平家方より翻意し、平家打倒の火の手を上げた源頼政の戦いを舞います。
この日は二役勤めさせていただきます。

解説はリンボウ先生こと、林望先生です。是非お見逃しなく。
チケットのお求めは、新潟りゅーとぴあからお願い致します。

公演のPVを作りました!
面の中身は、知盛役の和久兄です。

公演案内YouTube追加しました!




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4月23日 九皐会特別公演 別会 再掲

観世九皐会の定例公演も無事に終わりました。
私は難曲の歌占の地謡でしたが、なんとか皆で難所超えホッとしました。
blogにも書きましたが、言葉の意味を知らなければ、非常に力強い変化に富んだクセの謡いで、仕舞も長く複雑で面白いのであります。字で読むと怖い描写を怖くないようにしているところが妙であります。

さて、あっという間に九皐会別会も近づきましたので、再度ご案内を致します。
私のブログを探りますと、2009年の自主公演の時に、記事を書いてあります。
ブログの左下の過去記事検索欄に「望月」と入れて検索いただきますと、10回に渡って長々書いております。
興味のある方は、どうぞ走り読みしてください。

後に、研究者の方々の書いている記事色々を読みまして、この時の疑問はあらかた解消しております。
この望月は、長い伝承のうちにいろいろ改訂がなされて来ている台本だという事。
特に現行の観世流台本と他流とでは、セリフなどに差異があるのです。
当時悩ましかった、13年問題(事件が起こってから13年と観世流現行台本にある)はいい例でありますが、これもやはりそうした昔の改編によるものと研究者の方が書いておられました。

他流では、主人公の小沢刑部友房の主君、安田の荘司は、従兄弟と口論の末打たれ、そのため京にいた小沢友房は、帰りの路地を狙う敵がいるために、信濃に戻れずに、琵琶湖のほとり守山の宿の兜屋の主になったという台本です。
観世流にはこのセリフはありません。さる仔細候いてと多くを語らずになっております。

今回は、下掛宝生流の森さんが、前回同様にお相手なので、この13年という望月のセリフもないので、他流に近い昔の古い状態での演出に近いかと思います。また、古式ということで現行のラストシーンとも、少し違います。また、後場の獅子舞は、白頭、白覆面と装束も変わり、色々細かなところが通常とは違います。

あと、昔のブログに、この物語の舞台となる兜屋の事が書いてありますが、これ、はたごやの漢字の写し違いが、そのまま兜屋の屋号になったのではないかと。それも研究者が書かれていました。

ということで、知らいないであれこれ書いておりましてお恥ずかしい限りですが、当時は、望月の里やら守山の宿に旅して、少しでも曲に近づこうとしていたのがうかがえます。

自分としては、まさか再演するとは思いもしなかった特別な大曲ですが、お役を頂戴し、このところ小道具などを作り直し乍ら、勉強し直しております。以前とはまた違う舞台が出来ればと思います。

ご来場心よりお待ちしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

以下再掲
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能楽 観世九皐会(かんぜきゅうこうかい)一門の特別公演。通称「別会」(べっかい)
特別な伝承曲の秘曲や大曲を上演する九皐会一門の年に一度の催し。

此度、この特別な公演に於いてシテ(主演)の大役を勤めさせていただきます。
今回は望月(もちづき)という重習(おもならい)の演目を、自身十四年ぶりに再演致します。
当日は、能「住吉詣」 狂言「二人袴」能「望月・古式」と能楽の面白さが詰まった公演です。
はじめての方にも楽しめる演目かと思います。是非、能楽三昧のお時間をお楽しみ下さい。

望月(もちづき)あらすじ
主人公(シテ)小澤刑部友房(こざわのぎょうぶともふさ)は、十三年前、信濃国において主君の安田荘司友治が所領争いの口論の末、従弟の望月秋長に討たれた為、難を逃れて遠く琵琶湖のほとり、守山の宿場で宿屋の主人となって静かに暮らしていた。
そこへある日、かつての主君の妻子が、放浪の末に偶然にも小沢の宿に泊まる。敵の一族に狙われ国を出て親子二人放浪の旅をしていたのだ。小澤との再会に安堵し、涙を流して喜び合う。
しかし、その夜。
長らくその事件の咎めを受けて京都に留められていた望月秋長が、ようやく帰郷を許され喜びの帰路についた。そして、恐ろしい偶然に、望月もこの宿屋に泊まることになる。

宿屋の主人、小澤友房は、すぐに仇(かたき)の望月と気がつき、この千載一遇の好機に主君の仇討ちを計画する。座敷芸を見せると偽って、妻は謡いを、子は八撥、そして小沢は獅子舞を披露し望月に近づく。何も気が付かずに帰郷の祝杯にくつろぐ望月秋長。
それぞれの運命が交錯した夜。果たしてその結末は—――。
この演目は、「仇討ち」がテーマになっていますが、芸を見せて敵を欺くという筋立て。その芸を見せるという事が、実は能の主眼になっています。現代劇のような物語の設定と時間軸に進む演出と聞き取り易い台詞調の言葉。古典の概念を覆す芝居仕立ての作品です。
チラシの写真ですが、コロナ禍だから白い覆面のマスクをしている訳ではありません。
能楽秘伝の演目、石橋(しゃっきょう)の中で舞う「獅子」の舞を、この覆面と獅子ガシラの姿で舞うように組み込まれたのが望月(もちづき)という曲です。
この曲を演じる演出は秘伝伝承として伝えられており、初演は紅い覆面を付け演じました。
その時は師匠観世喜之先生、亡父や先輩に教えを受け稽古していただきました。
今回は、白い毛の獅子頭になり、より重厚な演技が求められます。
この能のお囃子方には、人間国宝、大倉源次郎師をはじめ能楽界で活躍する共演者の皆様に囲まれての一期一会の舞台です。是非、観にいらして下さい。

この日は、初番の「住吉詣」(すみよしもうで)と同時上演です。源氏物語の明石の君と光源氏の再会をなんとか一緒にさせたいと昔の人も思ったのでしょう。この作品は、そんな願いを叶えるように、二人は再会を喜びあって二人揃って舞を舞うという原作にない展開です。このツーショットを見たかった源氏物語ファンも人も多いはず。絵巻のような華やかな能です。

そして人間国宝、山本東次郎先生の狂言。二人袴。
なんと楽しい狂言でしょう。余計な説明はいりませんね。たっぷり至芸をお楽しみください。

はじめての方も楽しめる舞台です。お気軽に是非どうぞお越し下さいませ。
広く快適な国立劇場能楽堂は食堂も充実していますので、ごゆっくりお過ごしいただけます。

なお、今回のチケット申込は主催の観世九皐会事務所直接お申込み下さい。一括して取り扱っております。
(平日日中。℡03‐3268-7311 不在の時は留守電。九皐会ホームページからメールも可能です)
今年の春は、是非この公演をご覧下さい。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

                           令和五年 三月 遠藤喜久

歌占 地獄の曲舞

今週末は九皐会定例公演です。
私は坂君がシテを勤める歌占(ウタウラ)の地謡を謡わせていただきます。

なかなか厄介なクセの謡いで、難クセのひとつ。
しかも矢来独特の謡い節の伝承もあり、今回はどう謡うか悩ましいところ。
また片地という、変則の言葉数の拍数が多用されていて、それもまた難しいところです。

10年前に仕舞を舞った時のblogにクセの詞章についての事が書いてあったので、参考にリンクしておきます。
ご来場お待ちしております。

10年前の記事→リンク

矢来能楽堂公演情報へリンク



触れてみよう能楽の世界 info mart 公開

さて、続々と今年の催しの情報が解禁になりまして、新潟に続きまして、所沢ミューズさんの夏の催しのお知らせが、早くも公開になりました。

また劇場の情報誌に特集されましたので、併せてご覧ください。

info mart のpdfリンク 劇場トップページからも行けます。
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/infomart/pdf/infomart_vol124.pdf

触れてみよう能楽の世界
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20230826/

プレ講座
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20230812/

能楽ワークショップ
https://www.muse-tokorozawa.or.jp/event/detail/20230810/


のんびりまだ先と思っていると、あっという間にやってきますね。
是非新年度の手帳にご記入下さいませ。
宜しくお願い申し上げます。


本日発売開始 宜しくお願い申し上げます。

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昨夜は浅草寺の台東薪能に出演。
地謡と後見を勤めて参りました。
野外は3年ぶり?ですかね。お天気に恵まれて風も少しあり風情ある薪能になりました。
最近浅草は着物姿の若い人が増えて嬉しいです。
帰り道ライトアップした境内で楽しそうに撮影してる浴衣姿の若い人達が微笑ましかったです。

さて再掲になりますが、12月初旬。
今やお洒落な神楽坂の上、登録文化財指定の趣ある矢来能楽堂にて藤原家の伝説の能 海士を勤めさせていただきます。
本日よりチケット発売です。
解説、狂言、能1番の大変見易い公演です。
是非お友達を誘って観にいらして下さいませ。

なお、チケットは観世九皐会事務所へお申し込みのほど、よろしくお願い申し上げます。

9月7日より発売開始 矢来能楽堂

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出来たばかりのチラシをいただきました。
12月初旬。今やお洒落な神楽坂の上、登録文化財指定の趣ある矢来能楽堂にて勤めさせていただきます。
解説、狂言、能1番の見易い公演です。
是非お越しくださいませ。
お問合せは観世九皐会事務所へよろしくお願い申し上げます。


さて、いよいよ今週末は下記、所沢ミューズで杜若を勤めさせていただきます。お陰様でミューズの催しは完売とのこと。誠にありがとうございます。
今回はプレ講座もあり、たくさん勉強して、益々能、杜若が魅力的になりました。
伊勢物語と和歌と能を一度に味わえる作品。
お楽しみくださいませ。

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また、10月18日の鎌倉能舞台の定期公演の下記公演も、はやキャンセル待ちとの事。
私は午後の千手を勤めさせていただきます。
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どうした巡り合わせか今年後半はシテの舞台が続きます。催しも増えて来ましたので、一番一番精一杯勤めさせていただきます。
是非12月の公演、お早めにご予約下さいませ。

藤原北家の祖、房前大臣の出世の秘密を謎解く物語。今回は海士/懐中ノ舞という小書特別演出にて上演。
地謡は、観世喜正師ほか九皐会のメンバーです。
どうぞ宜しくお願い致します

雑誌観世五.六月号

ご案内が遅くなりましたが、雑誌観世の5.6月号の巻頭写真に、流儀の諸先生に混じって、九皐会からは今年春の弘田さんの大原御幸と、昨年の鈴木君の清経恋之音取の写真が掲載されました。
どちらも大曲で、私も地頭をさせていただき印象深く嬉しいです。
また、私の玄象の写真も掲載していただき誠に光栄です。

今月号は催し情報ほか、林望先生の連載や白楽天の特集記事、「能に描かれる愛のかたち」と題した新連載など、為になる記事満載ですので、是非ご購読下さい。
次回号は七月一日に、特集記事「江口の仏教観」ほかで、檜書店さんから発行されます。


つい二日前、はじめての矢来能楽堂「土蜘蛛」(シテ鈴木啓吾)も満員御礼の大盛況で終演し、再開して来た催しも少しづつ活気づいて来ました。
はじめて能をご覧になる方が、大勢足を運んで下さり嬉しかったです。この日は私は地謡で出演でした。
フォトセッションの模様が矢来能楽堂のTwitterに上がっています。
九皐会はTwitterに情報が上がるのでチェックしてみて下さい。私も自分のTwitterで時々呟いてます。フォローしてみ下さい。

夏の所沢ミューズの催し「触れてみよう能楽の世界」もお席が残り少なくなったと売れ行き好調のご連絡をいただきました。
嬉しい限りです。

催しが増えて来たので、しっかり準備して臨みたいと思います。
宜しくお願い申し上げます。


先行発売開始 所沢ミューズ触れてみよう能楽の世界

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今年も恒例の所沢ミューズ「触れてみよう能楽の世界」に出演させていただきます。
お陰様で17回目になります。
今年は能「杜若 かきつばた」を中心にお送りします。
初夏の色鮮やかな青紫の花、杜若。
旅の僧が杜若の群生する八橋を通りかかると、一人のの若い女に呼び止められます。

そして、伊勢物語の主人公こと昔男は、在原業平で、ここに咲く杜若の五文字(カキツバタ)を和歌の頭に読み込んで歌ったのだと教えられます。

やがて、女は、自分は実は杜若の花の精霊だと名乗り、不思議な事に、二条の后の衣と業平の冠を身につけて舞を舞い始めます。


私は、この若い女性に、ディズニー映画に出てくる精霊の魔法使い的な不思議さを感じていて、ツッコミどころ多いストーリー展開なんだけど、精霊ならそれもありなのかなと。

どこからともなく現れて、お坊さんを家に誘うと、業平や后の衣裳をどこからか持って来て着ちゃってるし、なんでも知ってる風に、業平の真の正体を語ったり、夢幻の如く舞を舞い、最後はいつのまにか消えてしまう。

なんともファンタジーな能だなと思っています。
もう不思議精霊パワー全開。

昔々の作者もね、精霊だからね、なんでもありなのよ。と思っていたのではないかなあ。(わからんけど)

言葉は能なので、当然日本の古典なんですけど、ストーリーの発想や展開が面白いと思いなあと。

公演当日の解説もありますし、難しくなく作品をご覧いただけるようにしたいと思っております。



また、ミューズ会員になると、なんと1000円も安く観れる。なんとお得な。
先行発売が始まり、大好評の模様。
是非この機会にご覧下さい。

恒例の能解説や、お囃子や装束のスペシャル講座付き公演です。
能楽堂の公演とは違ったホールならではの気軽さで、初めての方もお楽しみいただけると思います。

また、今年は公演と一緒に久しぶりに能楽ワークショップの仕舞や謡講座をリニューアルして再開します。

練習や発表の仕方も変わりましたので、初めての方が参加しやすくなりました。
今年から公演当日の開場時間を早めて、一般公演とは別に体験発表をします。

本公演開演前の開場時間中に実際のステージを使って体験の成果を確かめます。
稽古も含め全てグループでするので、初めての人も気軽にステージに立てると思います。


能は見るより、演じる方が楽しい!なんて言う方もいるくらいですから、気軽にチャレンジしてみてください。

公演プレ➡能楽プレ講座
公演のホームページ➡2022触れてみよう能楽の世界「杜若」
ワークショップのホームページ➡能楽体験ワークショップ



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来月の五月九皐会定例会では、仕舞を舞います。

本日は四月九皐会で、能 須磨源氏と采女を中心とした2公演でした。シテは桑田君と坂君。
九皐会もコロナ禍で始まった2公演制がすっかり定着してまいりましたね。
徐々にお客様も増えてきている感じがいたしました。

私は今日は須磨源氏の方の公演に地謡で出演。
采女は楽屋で働いておりました。

采女は長い演目で2公演目が終わると夕方6時。
見応えがあったのではないかと思います。
久しぶりにガッチリした公演でした。
ご来場ありがとうございました。

さて、今月は九皐会特別公演もありますが、そこは売れ行き好調なので、五月定例公演の宣伝をば。


来月の五月公演の第一部の仕舞の部で、私は海士の玉ノ段(アマという海に潜る職業の女性が主人公の演目で、藤原不比等の子を妊った海女が、海中の竜宮に取られた宝玉を奪還するのと引き換えに、自分の子を世継ぎにしてくれる事を約束する。そして海人は竜宮のある海へと飛び込み、我が身と引き換えに遂に宝玉を奪還する。その場面を舞語る仕舞)を勤めます。

今年はお正月に休演してしまったので、九皐会で舞うのはこれが初めてになりますか。

お仕舞を稽古してる上級者にはお馴染みの演目ですが、面向不背の玉(めんこうふはいの玉)奪還のくだりの謡いと舞は、能 海士の見どころの一つになっています。

第一部は仕舞三番と能 杜若 シテ 中所宜夫
です。

杜若は伊勢物語を題材にした人気曲で、杜若の咲く時期に良く上演されます。
八月の所沢ミューズ 触れてみよう能の世界でも、真夏ですが上演しますので、またいずれ詳しく解説いたしますね。今回は先輩の舞台をじっくりと勉強したいと思います。

五月定例会の第ニ部は、先日、事件がありました那須の殺生石を題材とした能 殺生石 シテ 長山耕三。

観光名所として名高い那須の殺生石が、能のように本当に石が割れたそうです。
九尾の狐が現れたのではないかと話題になりました。

今回は白頭という白い毛の狐の演出です。
私も地謡に入ります。タイムリーな演目で、こちらも楽しみです。


さて、一部を見るか二部を見るか。
迷った方は、是非両方ご覧下さいませ。
お待ち申し上げております。

宜しくお願い申し上げます。

※九皐会ホームページ及び、チラシに誤表記がありまして、仕舞玉ノ段は兄和久の名前になっているものがありますが、今回は私が舞う予定です。
おわび方々宜しくお願い申し上げます。

改めましてお詫び(本人より)

遅くなりましたが、改めまして本年も宜しくお願い申し上げます。


さて、一昨日九皐会から投稿いただきましたが、現在、都内病院の病床にて、ようやくこれを書いております。


暮れにお腹の調子が変だなと思っていたのですが、お正月で近所のお医者さんも休みで、そのうち治るだろうと、たかを括ったのですが、新春二日の舞台の後、容態が悪くなり、その後、病院に行き、そのまま即入院の運びとなりました。

手当が遅れて炎症が進んだようでした。

腸の憩室が炎症を起こす病気で、近年比較的男性に多い疾患です。

そこからは完全絶食と、ひたすら抗生剤の点滴で、3,4日程ほど昼夜ベットとトイレの数十回の往復が精一杯でした。

入院時に、舞台出演は危険だとの医師の診断で絵馬のシテは断念いたしました。


一応伺ったんですよ。舞台のある日だけ行ってやって来れないかと。

先生困ってられました。


無理して腸内に穴が開き細菌感染が広がったら手術しても助からないこともある。と重症事例を説明され、どうも思ったより深刻なようだとようやく理解した次第でした。


お陰様で健在、医師看護師さんのお力で回復に向かっており、手術せずに済みそうだと一安心して、ようやく書いてる次第です。


病院って看護師さんは真夜中寝ずの番で点滴を換えに来て下さる。本当にありがとうございます。


降板した絵馬については、私のシテを楽しみにして下さっていたお客様には大変申し訳ありませんでした。皆様には、お代役の先輩二人による舞台をお楽しみいただけたらと思います。


まさかね。自分自身が岩戸隠れする事になるとは思いませんでした。

私も天照のように無事に再生したく療養に努めます。


皆様にはこの場を借りて、降板の件、何卒ご容赦賜りたく平にお願い申し上げます。




なーんだ遠藤、長々書ける位、元気じゃん。と思っていただけたら嬉しいです。

どうぞご心配なく。


病床より皆様のご健康と舞台の成功をお祈り申し上げます。


一月八日 遠藤喜久

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プロフィール

nohgakuhanabutai

観世流能楽師(能楽のシテ方 演者) 日本能楽会会員(重要無形文化財 能楽(総合認定)保持者 幼少より子方を勤め、東京神楽坂の矢来能楽堂で修行し2千以上の能楽公演・講座・コラボ舞台に出演・制作。毎月、矢来能楽堂定期公演に出演。 能楽重習曲、乱・石橋・道成寺・望月・安宅・砧・翁など披瀝。 また東京中野区・練馬区・所沢市・秋田県を中心に稽古と普及活動をしている。(公社)観世九皐会 能楽協会所属 日大芸術学部卒業 
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