昨日、飯島晶子さん朗読とのコラボ出演が無事に終了しました。

六条御息所夢幻と題した源氏物語の朗読に、邦楽の奏でる笛や鼓、また楽器による虫の音や鈴の音などの効果音も入り、そこに真言声明と石山さんの笛、そして能姿の私の六条御息所が現れるという演出の舞台でした。

照明演出もあり、いつもと違うステージと空間、いつもとちがうメンバーとの舞台。名人上手の皆様に助けていただき乍ら、再演でもあり息の合った舞台でした。


源氏物語は現代語の朗読ですので、物語に入りやすく、通常の能ですと地謡やシテが自らを語るのですが、今回はそれを飯島晶子さんの朗読が受け持ち、私はパフォーマー的な役割の演出でした。

飯島さんの情感の入った朗読は、ただの読み聞かせではなく、芝居でもあり登場人物の心情やその場の世界を見事に浮き上がらせます。


私は自分のパートの能の持ち味や良さを壊さないようにと、あまり気を衒わず型を崩さず、笛と声明の呼吸を受けてと心がけました。


にしても本物の高僧方による真言声明とあの笛は、至高の体験といっても良い極楽浄土の響きでした。

今回も連れて行っていただきました。


実に得難い役者冥利に尽きる体験でしたね。

ありがとうございました。