ReQuest2竹生島の秘宝

全体の通しの下稽古が済みました。


私は今回、演出を担当してます。

個々の場面は演者や演奏者のアイデアが沢山入っていて、阿吽の呼吸でイメージを共有して作り上げる皆さんのポテンシャルの高さを感じます。

古典で培って来たノウハウで出来上がったと言っていいと思います。


最初の方のシナリオには、藤原道長まで登場していて帝道長晴明と下命するそのクダリを入れると、かなり長大になるので、今回のはじめて矢来ではコンパクトに見やすくしました。


同時代の武闘派の源頼光が前作のReQuest聖剣伝説1に出たので、今回は心霊系の晴明を登場させた。

それによって弁天や竜神という異世界の重要なキャラクターが召喚されて登場してくる。

大龍王という強大な敵には、人間晴明一人では叶わない。

紅白の竜神と弁財天と聖剣の助けを得て強敵に立ち向かう。


今回は、竹生島弁財天が持つ剣が、聖剣となる。

(実際に竹生島に行くと弁財天様がおられます。)

そして、能の古典にも登場する面向不背の珠をめぐる戦いが繰り広げられる。


神々のキャラクターは人間より遥かに大きいので、今回背格好の小さな私が晴明をやるのはありかなと配役が落ち着いた。


暗黒大竜王を演じる観世喜正師は、実際私より遥かに背が大きいので、装束をつけるとまさに大魔王そのものの迫力だ。

舞台上の対決で苦戦を強いられる。


もとより史実に基づく高邁で難しい作品ではない。

能のオリジナルキャラクターが新しい物語の中で自由に活躍するところに面白さがあり、古典作品に登場する見たことあるキャラクターが、見たことのない新しいステージで活躍する。

肩の力を抜いて気楽に楽しめる作品になっていると思う。


この舞台を見て、古典の能に登場する龍神や天女といった能ならではのキャラクターの魅力や、狂言の芸の面白さ、囃子の演奏の妙技が少しでも伝わったらよいと思います。


是非古典の日は矢来能楽堂にお越し下さい。