明日は七夕。
とはいえ先日までいた九州方面から六県にまで大雨特別警報がでまして、とても心配です。
天候の回復と皆様の無事を祈るばかりです。

明後日の九皐会定期公演の申合せが終わりまして、いよいよ本番です。
鵜飼という曲は夏の曲ですが、
伝え聞く遊子、伯陽は月に誓って契りをなし、夫婦二つの星となるという台詞があります。

これは七夕伝説の一つで、夫婦は月を愛で、やがて牽牛と織姫の二星にとなったという故事を引いています。

しかし鵜飼の老人は、月を嫌い、漁のために闇夜を喜ぶと語るのです。

暗闇に灯火一つ。

その火は、漁の為の炎ですが、それはもしかしたら闇に落ちた男の、微かな心の灯火なのかも知れません。

鵜舟に灯す篝火の、消えて闇こそ悲しけれ

もしその火が消えたら、真の闇がやって来ます。

他の能の中で、亡者の持つ杖と同じように、この松明もただの松明ではないのだろうと思います。

そんな事を思いながら、明るい能楽堂ではありますが勤めたく思います。


後半は地獄の鬼、閻魔も演じますので、二役で力が入ります。

そして、魂の救済。

気持ち良く終われますよう

精一杯勤めさせていただきます。

どうぞ宜しくお願い致します。