再び九州出張に行って参りました。
文化庁の学校公演事業で、今回は財団法人鎌倉能舞台さんのお仕事に参加。
宮崎から延岡に入り、さらに鹿児島、徳之島と回りました。
ちょうど今、大河ドラマで放映されている西郷どんの舞台と重なり、いつも楽しみに見ておりますので、まずは鹿児島公演の後、幕末の志士たちの史跡に立ち寄りました。
この鹿児島市内のまさに今で言う同じ町内会から日本を動かす英傑が次々に誕生したのはとても不思議な気がしました。
薩摩藩の郷中教育という、先輩達が後輩を教える特殊な教育法が功を奏したようですが、西郷さんや大久保さんを指導した名もなき先輩達がきっと素晴らしかったのだろうと思います。
能の内弟子修行も似たようなところがあるなと思いました。
市内には大河ドラマ館や維新ふるさと館など、幕末の志士たちの活躍を楽しく学べる場所があり、史跡が点在する歴史ロードという小道にも最新テクノロジーを駆使したパネルがあって、歩きながらスマホで動画を見て学べるシステムはなかなか楽しかったです。
夕方のほんの一時でしたが、鹿児島を満喫しました。大河ドラマから今後も益々目が離せなくなりそうです。
天敬愛人
西郷さんが好んで使ったと言われるこの言葉。
敬天愛人とも言うそうですが、
今回の旅で一番心に残りました。
西郷さんは、何度か島流しにあっているのですが、その流刑地の一つ。徳之島での公演もありました。
美しい自然に囲まれた島の景観に感嘆し、牛に跨った少年に出会ったりと、旅から旅の長い移動の間も楽しかったです。
西郷さんはさらに遠方の沖永良部島に流され、徳之島からも遥か水平線にぼんやりと島影が見えましたが、こんな辺境の地に流された流人が、再び歴史の表舞台に立つことが出来る日が来るとは、流された時は、本人さえも思わなかったのではないかと思います。
大久保さん達の仲間の力も凄いですが、奇跡のような天の采配を感じました。
天の助けや人の助けで再び表舞台に戻った西郷さんは、天命を感じたことでしょう。
そして自然とこの言葉を語るようになったのかもしれません。
天を敬い人を愛するという言葉は、そのまま、天にも人にも愛された西郷さんをよく表していると思います。
かくありたいものだと、すっかり西郷さんの魅力にはまった今回の旅でした。
いよいよ七月スタートです。
私は九皐会定期公演のシテや、所沢ミューズの恒例のワークショップも始まりますので、今年の夏もあまり休みなく頑張る予定です。
ミューズワークは、お陰様で今年も定員を超える沢山の応募をいただいたとの事、嬉しい限りです。
応募された方、頑張りましょうね。
どうぞ宜しくお願いします。
さて、すぐ間際ですが七月三日出演予定だった室町コレドの水戯庵能舞台。
お店のホームページに本日、出演者の名前がアナウスされましたね。
でも◯印。汗。
どんな事になるのやら。初めて行くのでよくわからないけど、頑張って来ます。
昼は美しい夕顔の女・半蔀、夜は勇ましい公達物・敦盛から舞う予定。
美味しい食事をしながら能を身近に感じていただけたらと思います。
内容など詳しくは、お店のホームページをご覧下さいませ。→水戯庵
なるほどここは、席数が能楽堂と違い、とても少ないから少人数の貸切みたいな感じでとても贅沢に過ごせるようですね。
しかも舞台に物凄く客席が近い模様。
時間は短いようだけど、密度濃いかも。
ドキドキ。