日曜日行われた公演写真より後半場面を1枚up
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ご存知 世阿弥作の祝言能「高砂」
何度かこの舞台となる兵庫県高砂市の高砂神社を訪れているけど、海も近く風も爽やかで、松が境内に其処彼処に育って居て、なんとも清らかな風情があります。
ここにはかの有名な相生の松があります。
今は五代目とか。

「 相生」という言葉。
共に生まれ育つという事ですが、音では相老にも通じ、共に老いるまでとも表せます。
雌雄の松、あるいは赤松黒松の2種類の松が偶然にも癒着して一つの木として育つ事があり、それを相生の松というそうです。
現在高砂神社にある松は、赤松黒松の相生の松だそうで、海辺に育つ黒松と、山辺に育つ赤松の種子が偶然にも癒着して一つの松として相生となる姿を、我々人間の夫婦和合の理想としたのですね。
常緑樹として常に緑をたたえ、その威風堂々たる姿は、神木と崇められて来ました。


能の高砂のお話は、古今集の序文に「高砂住の江の松も相生のやうに覚え」とあり、大阪住吉の松と高砂の松はまるで夫婦のようだという、当時の流説が記されている一文に着想を得たと思われ、高砂、住吉とそれぞれ遠く離れたところに住む老夫婦の松の精が、夫婦愛と松の徳を語るお話で、今で云えば遠距離恋愛とか、別居夫婦のような形ですが、心が通じ合っていればOKさと言っているわけです。

後半は舞台を住吉に移し、住吉の神が泰平を寿ぎます。
この神様は、イナナギ神のアオキガハラの禊で生まれ出た神々の中の一柱です。(住吉三神 )
現在では後場の住吉の神は、写真のような姿で登場するのが伝承されていて、これが神官に神が憑った姿とも、若い神様の姿とも見て取れるような出で立ちです。神舞という颯爽とした舞を舞いめでたく舞い納めて終曲します。

能のジャンルの中で、神能は総じて清々しく、特に高砂は爽やかな光と風に満ちているので、私の好きな演目です。
厳かな古態の作りの能が、能楽堂とは違う特殊な音楽ホールの会場でどうか。初心者向きの講座能でいささか難解かなとも思いましたが、ワークショップ10周年を祝って世阿弥以来の名曲が上演出来て良かったです。

関係者の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。