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はや6月ですね。
先日山梨にドライブがてら富士山を観に行きました。
富士山はどこから観ても素敵なわけですが、昇仙峡という千メートル位の所から観ますと、また大変美しく、かの横山大観画伯が申した通り富士は無窮の姿であります。

いよいよ夏にむかい暑さが増してきました。
気温が一度上がる程に、自分も一度づつ熱くなって行きたいと思います。

さて、そう言っているうちにすぐに7月がやって来ます。
7月の神楽坂矢来能楽堂 観世九皐会の定期演能会の番組が出来ました。
催しの多い昨今ですが、是非ご来場いただきますようお願い申し上げます。
番組pdfクリック
チケットの申し込みは矢来能楽堂へお願いします。
今回私のシテを演じる阿漕アコギは、伊勢神宮の神に捧げる供物を獲る神域の禁猟区で漁をしたために地獄に堕ちる漁師のお話。
三卑賎物と呼ばれる「鵜飼」「善知鳥」「阿漕」の一つで、殺生を戒める曲と言われています。
あらすじを読むと、いかにも能の亡霊が出てくるお話ですが、そこは、能の作品ですから

逢ふ事を阿漕の島にひく網のたび重ならば人も知りなぬ

という古今和歌六帖という歌集の歌や、西行法師(のりきよ)の恋の話を取り込んで、漁師が殺害されるという凄惨な話を風雅に包んでいるのです。

舞台後半は、舞台は海と化して、亡霊が浮かび上がり、罪業の様と地獄の様を舞い語って消え失せます。

生きる為に漁をしたのか
漁をする為に生きたのか

罪と知っても夜よる忍んで海に入る

人間の背負う業を描く傑作です。
是非ご覧下さい。