矢来能楽堂「のうのう能」の小督(こごう)も明日に迫りました。
申し合わせも済み、床屋にも行って準備万端です。
この曲のシテは、小督の局に帝よりの文を届ける恋の使者。
源仲国です。

嵯峨野辺りに身を隠した小督を探して文を渡して欲しいと、帝よりの指令を受けた仲国が、8月15日の中秋の名月の夜には、きっと小督の局は琴を爪弾かれるだろう、その音を頼りに探そうと馬を駆って嵯峨野を探し、遂にひっそりを庵を結ぶ小督に会えるというお話。

2年ほど前に九皐会でさせていただき、久しぶりの舞台です。たしかその時もブログに書きましたね。
仲国は面をかけずに、直面(ひためん)といって、自分の顔を面と考えて演じる曲なので、素顔です。化粧はしません(笑)。

8月15日とは、明日の舞台の中でのことです。
中秋の名月にきっと琴を弾くなんて、なんて日本的なんでしょう。近頃そんな話はイベントでもないと聞きませんよね。

能の中では、琴という楽器は使われないので、全く琴の音はしません。
それもまた、想像でカバー。琴の音が日常にあった時代には、どうということなくイメージ出来て、また、かえってその方が面白かったかもしれません。今日、能の小督を観ながら琴の音が聞こえる人がどれだけいるかは、ちょっとわかりませんが・・・。
また、謡の中で謡われる満月も、勿論舞台セットにはありません。
すべては観客と演者と囃し方と私の心の中です。

なお、今年の旧暦8月15日は、グレゴリオ暦では9月14日だそうです。
また、その日が必ずしも満月とは限らないそうです。
調べると面白いので、興味のある方は、調べてみて下さい。

明晩、よろしければ名月と琴の音を楽しみに矢来能楽堂にご来場下さい。
(要 問い合わせ)


6968a20b.jpg
前回の写真。鞭を打って馬に乗っている姿。
能ではこんな風になりますね。
今回は装束も違いますから、よく見比べてください。