府中市民能葵上の後見に。この曲源氏物語の光源氏の正妻、左大臣家のお姫さまのタイトルがついてますが、本人は舞台に小袖として登場。つまり役者は演じないのです。舞台正面に赤い小袖を後見が置くだけ。光源氏も出てこない。
じゃ誰が主人公かというと、そう六条御息所の生霊。この高貴な人の嫉妬と殺意と悲哀を美しい詞章でつづっているのです。
そして高僧横川の聖に祈られ、よいよ鬼の姿となって襲いかかるという、ちと怖い、そしてちょっと物悲しい曲。
美しい人はずっと美しくいてほしいのだけど、そうはいかない人間の情念の生々しさが描かれています。葵上を生身の役者が演じると火サスになってしまうので、これを小袖に変えた演出は卓見だと思います。今日はそんなわけで小袖に神経をつかいました(汗)。画像は私がした時の。ffe17041.jpg