今日、「賀茂」に出てくる下鴨神社一体の糺の森(ただすのもり)は世界遺産に指定されているそうです。現在では12万4千?の森も昔は貴船の山々までずっとつながっいたのでしょうね。
そんな太古の森の神域に起きた神の降臨を描いたのが能「賀茂」です。
人間世界の紆余曲折やら戦いやら情念とかのお話とは違います。

詞章の美しさといい、清浄感といい、森の匂いと川のせせらぎが聞こえてきます。
小学館の日本古典文学全集「謡曲集」に詞章と全文訳が出ています(ほかにもありますが手にはいり易い)。是非、ご一読して能を見て頂きたい。(ネットでは著作権のからみで詳しく書けないのです)

神能は総じて、前半は厳かな囃子とテンポで、ゆったりして言葉がわからないと眠気を誘われがち。音読みで謡われる熟語は、現代人には理解し辛いし、誰が何して、何とやらとは、文の構成が出来ていないので、聞き取れる言葉が出てきたと思うと直ぐに???になってしまったり。

でもこの曲の詞章は、清浄感があって美しいのです。

そういえば、鴨川は途中から賀茂川と呼び習わされてるそうで、上賀茂神社・下鴨神社と書きます。