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さてあらすじの続きです。
煙とともに老人が消えうせて不思議なこともあるものだと思っている僧のところに、
今度は清水寺あたりに住む人がやって来ます。
(これは狂言方が勤めます。当日番組に間狂言と書いてあるのがこれです。)

画像は潮汲みの桶です。

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所の男は、僧の尋ねに応じて、もう一度この辺りの事を教え語ります。
(狂言の台詞は、とてもわかりやすいです)
で、実はさっき不思議な潮汲みの老人に会った事を僧がはなすと、
「えー!」それはきっと融の大臣に違いないと云います。
なぜなら、今でも時折、月のよい日は、ちょくちょく でる という噂だからと。
そして潮を汲んだり塩焼きをさせたりすると。
「イヤーお坊さん、不思議な事に出遭ったね。きっとお坊さんが尊い人だから、出てきて声をかけられたに違いないよ、また出て来られるかもしれないから、もう少しここに逗留したらよいよ」
といって男は帰ります。
野宿には慣れている旅の僧は、それならばと、そこで泊まることにします。

さて、ここからが後半。夢か現か、野宿して眠る僧の前に
融の大臣が、まさに昔の優雅な貴族の姿のまま現れて、月下の中で舞いを舞われるのです。
この時、お囃子の演奏だけで舞う舞が入りますが、早舞(はやまい)と云います。
融の大臣は、月下に謡い舞い遊んで、夜明けが近づくと、月の光に誘われるかのように月の都に消えてゆきます。
舞台はここで終演になります。夢幻を見た僧は、静かに立ち去ります。

この後半の部分は大変有名で、詞章といい装束といい音楽といい、とても雅な場面です。
小書きという特殊演出がいくつかあり、舞いの部分が変わったりしますが、今回は最もスタンダードな上演をします。
上演時間が全部で1時間20分位にはなりますでしょうか。途中休憩はありません。
この老人と融の大臣の二役を私が演じます。
前半の謡いも多く、後半の舞どころもありますので、頑張って勤めたいと思います。
前半は老人の面を、後半は貴族の能面をかけます。

さて、ちょっと書きすぎましたかね。長物語りになりました。
初めての人には、能の台詞が聞き取り辛いので、あらすじを頭に入れていただいて見て頂くと、面白く見れると思います。どうぞ宜しく御願い致します。

なお、当日券が無いことが多々ありますので、見てみたい方はまず観世九皐会事務所に
必ずお問い合わせ下さい。来てみたら入れなかったらがっかりですから。
電話03-3268-7311です。
今週は土曜日休日ですので、お問い合わせはお早めによろしく御願い致します。