能楽夜ばなし

能楽師遠藤喜久の日常と能のお話

男物狂い~土車~

明日は緑泉会定例会納会
葛城大和舞と船弁慶前後ノ替
大和舞は神楽の譜が短くなって型が変わり装束や作り物も少し変わり白い雪のイメージがより強調されます。
前後ノ替は静御前の舞が少し変わり、後シテの出囃子の演奏が謡出の後になるという演出で、後シテの型も少し変わります。
明日は土車という遠い曲(上演頻度の少ない曲)の仕舞もあります。
深草の少将(例の通小町に出てくる男と同姓同名。別人と翻訳書にあります)が妻に先立たれ、幼子を捨てて出家して旅に出てしまう。(凄い親父です)。
養育係の小次郎は、幼子とふたり、物狂いの遊芸者に身をやつして、主君を捜す旅に出ます。それは人が集まる所で芸を見せれば、会える可能性が高まるとの思いからで、土を運ぶ車に幼子を乗せて旅する姿は、子連れ狼を彷彿とさせるものがあります。
さて出家者が立ち寄るだろうと二人は善光寺に向かいます。
賑わいを見せる寺の前で小次郎は物狂の舞を舞うのです。
この場面が仕舞の舞どころになっています。案の定、主君深草はその様を見ていました。そして物語はその後クライマックスに向かいます。 男物狂いには高野物狂などがありますが、男の直面の役で物狂い。しかも男という役は難しいのです。顔の表情で演技をしない能独特の表現の難しさがあります。

明日で年内出演する定期公演は終了です。 あといくつか催しを残すだけとなりました。もうひとふんばりです。

星に願いを

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メガスター2なるプラネタリウムが有ります。
この最新鋭の機械は今までとは比べ物にならない数の星を写し出しリアルな宇宙を再現するので、今やこれを導入したプラネタリウムが大人気。
製作者がテレビコマーシャルに出る程です。

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御礼 納会

九皐会12月定期公演も終わり、今年の定例会は無事すべて終了。
ご来場の皆様ありがとうございまいました。
九皐会としては、年末の観世喜之古希祝い乱能を残すばかり。
こちらの方は、おかげさまでほぼ満席との事。有難い限りですね。
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私は二部の最最初の能「鷺」という重い習いの曲の狂言口開けをさせて頂きます。
能が始まる前の前触れで、ほんの短い言葉ですが、とても大切なお役目。
今回は二部の最後に能「船弁慶」のシテを勤められる善竹先生にご指導を仰ぎました。
シテ方と同じように謡うのですが、声の調子や張り方が違うのです。
普段使わない高さの音を使うので、よく稽古しなければ(汗)
狂言台詞といっても笑いはないので、あしからず。
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ふー

東京に戻り、学生能二つ。稽古などなど、忙殺気味。
今週は九皐会の納会。師走ですホントに(^_^;)

ふー

東京に戻り、学生能二つ。稽古などなど、忙殺気味。
今週は九皐会の納会。師走ですホントに(^_^;)

丹後峰山公演

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丹後峰山公演が終了し、これから東京に戻ります。
なんと家まで7時間!国内旅行とは思えない。
ゆっくり社中でブログが書けます(笑)。
今日は千人入るホールがいっぱいでした。
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神の通いし跡なれや

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すっかり観光旅行を堪能しました(笑)
天橋立に来て船に乗り(松島に続き、またしてもカモメが沢山、今度は鷲も混じっていて、鷲ってカモメみたいに海上を飛ぶんですよ。びっくり)
元伊勢籠神社そして西国28番に数えられる成相寺にお参り。
展望台からは股覗きの景色(ここでは皆後ろ向いて股の間から景色見てます。奇妙。笑)にため息。さすが日本三景。
それにしても昨日から何回お祈りして合掌してるでしょう。
願いが叶ったら、お礼参りが大変そうです(笑)
さて、すっかりリフレッシュさせて頂き、明日は「隅田川」「鞍馬天狗」(シテ 観世喜之 観世喜正)の本番です。
どうぞお楽しみに。

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恩を知る

京都に来ております。
週末に丹後峰山(京都からさらに2時間!)公演があり、観光シーズンとあって旅券が思うように取れず、それならばと予定を繰り上げて秋の京都に。
京都はまだ紅葉が残っていました。
折角なのでライトアップされた青蓮院、知恩院と回り、
知恩院はさすがに浄土宗の京都本山、見応え充分でお坊さんのお話を30分も伺い、有り難い気持ちになりました。
最後に来年三月九皐会で熊野を舞うので清水寺にお参りしました。
地元の方はあまり行かれないと聞きましたが、私的には好きな所。残念ながら携帯を忘れて画像がありませんが、散り際の紅葉に彩られた見事な景観でした。
明日は天橋立経由で現地入り。
仕事絡みでは有りますが、先日の松島に続き日本三景を見れるとは幸運でありまね。

師走

早い早い一年でした。
一年前の今時期、新春の伝統芸能ワークの準備をしていたのが、ついこないだのようです。
さて、今年の年末は12月27日(火曜日)の師匠観世喜之師の古希祝い記念乱能で一年を締めくくります。
乱能(らんのう)というのは、日頃舞台では勤めない役を勤める、玄人の学芸会的な特別な会で、お祝いの時などの祝賀行事として行われます。
例えば私が、お囃子を勤めたり、狂言の役をしたり、またお囃子の方が、シテを勤めたり地謡を謡ったり、狂言をしたりという具合です。
なにせ専門職でありませんし、珍芸秘芸の数々を披露します。まあ、少々おふざけあり、本職顔負けの名人芸ありで、楽しい会であります。
私は、2部の能の「鷺」の口開けといって、普通狂言方がする役と(シテは一噌庸二師)、一門での早舞のお囃子をする予定です。
今回の役は大変短いセルフなので覚えられると思いますがどうなりますやら。

喜之家一門の能楽界の名だたる先生方がお祝いに御出演の予定です。
何せ本業以外ですから、楽屋裏が大変な一日でもあります。

12月1日より観世九皐会事務所(03-3268-7311)にて、一般発売です。
1部 2部とも正面5千円 脇・脇正面3千円 詳しくはお問い合わせ下さい。
人気の催しですから、興味のある方はお早めに。

光陰矢の如し

今年の11月は例年以上にかなり多忙でしたね。
なんか2日に一回位は公演があったような。
リハを入れれば、ずっと舞台漬けの毎日でしたが、済んでみれば
あっ!という間の出来事で、一炊の夢の如しでありました。
で、週明け稽古の合間を縫って久々の映画に。
ハリーポッター(笑)。
虚構を感じさせないCGの出来映え。
子役だったハリーも、もうすっかり大きくなって、大人の顔つきに。
いよいよ物語りはシリーズ後半に向けて試練が大きくなります。
早く完結編まで撮らないと、ハリーは大人になってしまいそう。大丈夫だろうかと心配になります。
子供の成長は早いですよね。能の世界でも子方だった子が、みんないつの間にか私より大きくなったりして、驚かされることもしょちゅうですから。
いやいや、大人の時間もあっという間だから今のうちに気張って頑張らねばね(笑)




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プロフィール

nohgakuhanabutai

観世流能楽師(能楽のシテ方 演者) 日本能楽会会員(重要無形文化財 能楽(総合認定)保持者 幼少より子方を勤め、東京神楽坂の矢来能楽堂で修行し2千以上の能楽公演・講座・コラボ舞台に出演・制作。毎月、矢来能楽堂定期公演に出演。 能楽重習曲、乱・石橋・道成寺・望月・安宅・砧・翁など披瀝。 また東京中野区・練馬区・所沢市・秋田県を中心に稽古と普及活動をしている。(公社)観世九皐会 能楽協会所属 日大芸術学部卒業 
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