能楽夜ばなし

能楽師遠藤喜久の日常と能のお話

御礼 九皐会

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九皐会ご来場頂きましてありがとうございました。
熊野は、随分若いうちから師匠や父、先輩方のツレを何度も勤めさせて頂きましたが、シテは初役で、終わってみれば、場面転換も多く、万華鏡のようにチラチラと変わってゆく様を長丁場の舞台で演じるむずかしさを感しました。

今回、師匠をはじめ諸先輩に沢山の教えを頂いたのですが、この曲は演者の解釈が実に色々あるのものだと思いました。
型は90分の舞台でほぼ全てひと足に至るまで決まっていますし、謡いも
台本どおりなわけで、誰がやっても同じになるはずですが、実際は全然違う。
微妙に心持が違えば、当然、間や呼吸や節の扱いや、微妙な型、声の色まで変わるわけで
、それに演者の体型や声質が10人十色にかみ合わさって、また、地謡や囃子、ワキとの組み合わせによって、まったく出来上がった感じが変わるわけですね。
この曲に限らず、そこが舞台芸の妙ということだと思いますが。
それにしても熊野。まさに「米の飯」。
演者にとっても何度も噛み締めながら勤めなければならない曲と感じ
いつか再挑戦をと心に思いました。
長時間ご覧頂きありがとうございました。


本日は紅白段桜文様鳳凰御所車唐織
金地桜文様鬘帯
花戦花見車の扇
面は若女
紅入錦の紅段でつくられた花見車
と豪華絢爛たる面・装束と三役地謡に助けられての舞台でした。
ありがとうございました。
写真は、もう一番の嵐山と、熊野の花見車。

熊野3

駆け足の解説です。
続きをクリックして下さい。
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桜咲く

さて明日は九皐会
嵐山と熊野
桜満開の名曲です。
今回は稽古におわれて解説が間に合いませんでしたが、後ほど少し書いたのがアップ出来ればと思います。

さて、明日は舞台に花が咲くよう頑張ります。

桜咲く

さて明日は九皐会
嵐山と熊野
桜満開の名曲です。
今回は稽古におわれて解説が間に合いませんでしたが、後ほど少し書いたのがアップ出来ればと思います。

さて、明日は舞台に花が咲くよう頑張ります。

功名が辻

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今日は横浜能楽堂の学生能の後、NHK大河ドラマ「功名が辻」の能楽シーンの撮影でNHKスタジオに。
当初「張良」の龍神役の予定でしたが、能楽シーンは数秒の為、私の場面はカット!(笑)
で、地謡にまわることに。(ちょっとその気になって稽古してたんだけどなぁ…苦笑)
先日、兄が撮影に行き、放送では見事に袖だけ写っておりました。
ちょんまげまでつけたのに(笑)
さて今回はどうなるでしょう。3ヶ月後に放送です。
しかし2カットの為に半日がかり。テレビスタッフも大変です。
俳優さん達もじっと出番を待っていました。
写真は衣装を着て奥川恒治師と。ちょっとミーハー気分でした(笑)

めったに見れない顔?

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昨年暮れの師匠観世喜之古希祝い乱能の写真を頂きました。
父六郎の楽しげな写真。
シテ方の舞台では絶対見れない笑顔ですね。
乱能とは、日頃の職制を離れて、違う役をするのですが、この時は狂言「盆山」の太郎冠者。
まさに元気でいるのも芸のうち。といったところでしょうか。

熊野 2

熊野特集を組むと言っていたのに、稽古に追われなかなか出来ません。

シテは幕を出ると一時間以上の通し舞台で、大変です。
熊野というと能の作り物の中では最も華やかな物見車が出て、春爛漫の明るく華やかなイメージがありますが、シテは登場からずっとアンニュイに危篤の母を思って沈んでいます。
しかし、ずっとうつ向いてシオリばかりしていてはどうにも舞台が華やがないので、実は母の病気は口実で東に好きな男がいるなどという、なんとも不思議な心理解釈も出てきたのでしょう。
愁いていながら華やぎを消さない心理を男性的に考えてつじつまの合う解釈を考え出したんでしょうね。
実際にそうであるという事でなく、そう考えてやると無意識に華やぎが出るという演者の方法論なのでしょう。
これについては
田代慶一郎著「謡曲を読む」に詳しく書いてあります。
女性のお弟子さんに尋ねると、かえってこの解釈が不思議なようで、熊野はとてもリアルに女心が描かれているとの事。
女心がよくわからない私としては(笑)、今回は悩ましいです。

父曰く「普通におやりなさい」と。
ごもっとも。
素直に演じたいと思います。

先日書いた粗筋はこちら

ラジオ放送

明日朝7時15分よりNHKFMラジオで先日収録した謡曲「田村」が放送されます。
興味のある方は聞いてみて下さい。地謡を謡っております。
http://www3.nhk.or.jp/hensei/bangumi/fm-20060305-14.html

隅田川

本日は鎌倉定期能の隅田川。
この曲は、人買いに連れ去られた子供を探して母親が女独り都から遥ばる東の果て(その頃は、新幹線もありませんから東京は遥か遠くなんですね)隅田川まで旅して来て、たまたま乗った船の上で聞く大念仏が、実はこの隅田川のほとりで息絶えた我が子の死を悼むものだと知り絶望するという悲しいストーリー。
その亡骸の埋められた塚の前で念仏を唱えると、我が子の幻を垣間見るのですが、抱きしめる事も出来ずに消え失せてしまいます。
この幻の子供の役をを子方が勤めますが、本当に小さい子が無邪気にやるのでなんとも哀れで、お客さまの涙を誘います。
私も子供頃、作り物の塚の薄暗い中でじっとしていたのをよく覚えています。
今考えると、いたずらして怒られて押入に放り込まれたのが、塚でじっと我慢するよい訓練だった気がします(笑)

さて昨日お知らせしました所沢のイベント。満席になったそうです。
これから先の申し込みは、次回分か追加講座(申し込み多数ならば追加を検討中)の優先予約または今回のキャンセル待ちになるそうです。お申し込みありがとうございました。

お知らせ 彩翔亭でのイベント

来る3月26日(日)に
所沢航空公園内の茶室「彩翔亭」で、お話講座をいたします。
お近くの方は是非きてくださいませ。
なお、入場希望は予約が必要ですので、ホームページENDOWS STUDIOの
メールアドレスにお問合せ先を書いてメール下さい。
まもなく定員に達するそうなので、希望者はお早めに。

*満席になりました。これから先の申し込みはキャンセル待ち並びに
追加イベントの場合の優先予約だそうです。


***応募多数により、午前10時より追加の講座をすることになりました。
再度 追加募集開始致しました。宜しく御願いします。


詳しくは続きで 続きを読む
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  • 11月公演予告②山姥やまんば  能の解説音声 パート3(能 後半)追加しました。
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プロフィール

nohgakuhanabutai

観世流能楽師(能楽のシテ方 演者) 日本能楽会会員(重要無形文化財 能楽(総合認定)保持者 幼少より子方を勤め、東京神楽坂の矢来能楽堂で修行し2千以上の能楽公演・講座・コラボ舞台に出演・制作。毎月、矢来能楽堂定期公演に出演。 能楽重習曲、乱・石橋・道成寺・望月・安宅・砧・翁など披瀝。 また東京中野区・練馬区・所沢市・秋田県を中心に稽古と普及活動をしている。(公社)観世九皐会 能楽協会所属 日大芸術学部卒業 
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