能楽夜ばなし

能楽師遠藤喜久の日常と能のお話

熊本  よかとこばい

九州熊本に九皐会の学校公演の出張で行って来ました。
私は初めての熊本でしたが、旅先で出会った土地の方々は、皆さん情があって気が良くとても良いところでした。
例により公演中の写真がないのですが、市内に泊まったので、公演後にあちこち散歩して観て回りました。

初めて観た熊本城は、震災復興の途中で、まだまだ完全に修復されるのは何年も先の事との事でしたが、天守閣は新しくなってその姿を見せていました。

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私はタクシーに乗って熊本城を観て周りましたが、そびえ立つ城の姿といい、武者返しと言われる巨大な石垣といい、東京の皇居、江戸城に匹敵するような広さといい実に圧巻の巨城でした。
タクシーの運転手さんや出会った土地の人達とお話しすると、熊本城が震災で傷を負ったことを、我が身の傷のように思っておられるのがとても伝わって来ました。変わりゆく街並みを寂しく思い、それでも前を向いて行かないといけないという言葉を何度も聞きました。1日も早い復興を願うばかりです。

天気に恵まれたので、辺りを散策しましたが、これまた近くに能の秘曲 檜垣の史跡があり立ち寄りました。

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街中のひっそりとしたお寺でしたが、能楽史跡保存会さんの立て看板があり、保存会の旅行によく同行していた父も、もしかしたらここに来たのかもと、嬉しい思いがしました。
お寺の中には、檜垣の女人像がありお参りさせていただきました。
ここから、10キロ先の山の上の岩戸観音まで女が通ったという伝承があり、また、その山は、後年、宮本武蔵が籠って五輪の書を書いた事で有名です。
歩いて3時間近くなので、流石に行けませんでしたが。また次回の楽しみができました。


最後におまけ。
私の地方出張の楽しみの一つは、その土地のラーメンを食べる事なんですが、今回は名高い熊本ラーメン。
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学生時代は、よく新宿にある熊本の桂花ラーメンを食べに行きましたが、今回は宿のすぐ近くにあった黒亭という店に入りました。
有名店のようです。厨房は女性達が仕切っていて、なんとも優しい良い味でした。ご馳走様。

仕事の写真がないと観光みたいだけど、連日朝からバスで移動して、舞台を自分達で組んでは公演の毎日でした。子供達の反応はとてもよく、もうビートルズの日本来日コンサート(古!笑)のような熱狂的な盛り上がりの学校もありました。ホント嬉しかったですね。

ご同行の皆様、出会った皆様、いろいろご親切にありがとうございました。




触れてみよう能楽の世界 公演後記

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渡辺国茂カメラマンからも写真が届いたので一枚upしておきます。ありがとうございました。

小鍛冶の後シテは、稲荷明神が、狐のイメージの姿で現れて宗近を助けます。
この作品を演じられる時代には、五穀豊穣の稲荷神と、お狐さんが結びついて、お稲荷様といえば眷属はお狐さんというイメージが定置していたのかな。
能の中で、姿なき神様は色々な姿に化身して現れるのですが、この曲では、前半は童わらべに、後半は狐を思わせる姿に化身して現れます。
頭に狐載せてるしね。

稲荷塗といわれる朱塗のイメージも、面や装束に反映されているように思いますね。

今回は特に赤を意識して面も赤みの物を使い、定番の赤頭に赤の半切と、イメージを統一しました。
まさに赤いキツネでした。

先日作ってみた手製の槌も試しに使ってみたら、さすがマイオリジナル。手に馴染んで使い易かったです(笑)


この曲、小書き演出になると、装束が変わりイメージカラーが変わります。また型や演出も変わりますね。私はこの赤いキツネが好きですが、機会あれば他のも勤めてみたいと思います。

さて、夏の間せき止めていた社中の稽古が早くも始まり夏も終わりです。毎年のことだけど、夏の終わりって名残惜しいです。

この夏のご一緒した皆様、ありがとうございました。
なんだかんだと釈迦力になってましたが、終わってみれば本当に楽しかったです。皆さんのお陰です。
また会える日を楽しみにしております。ではまた。


夏の終わりの

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今年も所沢ミューズワークショップと、普及講座 触れてみよう能楽の世界が無事に終わりました。
14年目の夏休まずに過ごした夏でした。
能 小鍛冶の舞台写真は駒井さんの速報
打上げはマイスマホでした。
緊張がほぐれた後の皆さんの笑顔が最高です。
感謝と祝福と笑顔が、一度にどっと溢れた宴でした。
あー楽しかった。

ご来場の皆様、関係者の皆様、本当にありがとうございました。
自分はめちゃくちゃ充実した夏でした。
子供達可愛かったー!
ありがとう。またねー。

帰りの車で夏の終わりのハーモニーが流れて、ああ今年も夏が終わるなあと、しみじみ月を眺めたのでありました。


触れてみよう能楽の世界

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触れてみよう能楽の世界と題した、所沢ミューズの催しも間近に迫りました。

例年、催しの第1部では、この夏に能楽仕舞ワークショップに参加した小学生から成人の部までの発表が組み込まれています。
舞の動きってどんなものなの?というのが、アマチュアの方々の仕舞でよくわかります。
今回は、ミューズ休館前ということで、沢山の応募もあり、約50名の方が一部に登場します。
時間は約30分程度かと思いますが、参加者の皆さまの熱いエネルギーを感じていただけたらと思います。

二部は、私の解説ということで、久しぶりゆっくりお話させていただきます。客席の皆さまにも少し声を出して謡いを体験していただきたいと思っています。

そして三部に、能 小鍛冶コカジの上演です。
刀鍛冶 小鍛冶宗近とそれを助ける稲荷明神のお話です。

初めて能を見る方には、能って、こんな感じなんだ。舞や、謡いは、こんな感じなんだといういうのがご理解いただける、体験付き公演鑑賞付き能楽講座です。

まだ若干お席あるようなので、よろしければ是非お越しください。
能楽堂とは、違った空間で、普段着や浴衣、アロハで来る方も多い気軽な催しです。
お待ちしております。

雨の中では、能はやらないの?という質問に答えて。

一昨日寒川神社薪能に参勤しましたが、時折の突風と、雨で演出の変更を余儀なくされました。
また、途中からせり出しのステージから雨よけのある後方まで下がっての後半を上演しました。
結果最後は雨が止みましたけどね。
舞うスペースが限られたので大瓶猩々のツレで出演していた私も、直前に演出の変更指示があり、どうなるかなと思いましたが、無事に終わりました。
雨が強くなって中止にならなくてよかったですね。

薪能って、雨が途中で降ると即中止になる事が多い。
これってお客さん的には、まだやれるんじゃないの?という気がする時もあると思うのですけどね、
雨のロックコンサートなんか体験してると特にね。

お客様が濡れないようにというのは、まず現代的にはとても大切なんですが、演者の使用する能面装束、楽器を守る為でもあるのです。

能面って一つの美術品、工芸品でして。しかも、50年とか100年とか数百年とか、世代を超え時代を超えて受け継がれているものも多いのです。
で、基本防水ではないのです。

例えばその能面は、水彩絵の具のキャンバスのように水に弱い。面の彩色が流れ落ちてしまうのです。

価値ある美術工芸品という点では、モネやピカソの絵を雨の中、雨ざらしにして見たりしないのと一緒なのです。

流れたらまた、書き直せばいいじゃないというわけにはいかないのですね。
装束もそう。
新しいものもあるけれど、100年以上の時代を経たものだってあるのです。
で、基本オールシルクだからね。
雨に弱いのです。
婚礼の白無垢の晴れ着を想像していただくと良いかな。

またお囃子の道具も木と皮なので、やっぱり雨では、音の調子まで変わってしまうのです。
囃子方の楽器も、江戸期よりの伝来物なんて普通にありますもんね。
ストラディバリウスのバイオリンを雨の中で弾かないのと同じです。
能に使われている面や装束や楽器の価値がまだまだ世に知られてないからね。ピンとこない人も多いと思いますが。 
どれも預かり物なんです。
前の世代から後の世代への。
使い捨て文化ではないんですね。
皆んなで守って後世に残そうと思ってもらえるといいです。


というわけで、雨雲がすぐに切れない時は、お客様と舞台双方の頃合いで中止になる事が多いのですね。 
お客様にもご理解賜りたいところです。

一昨日私は大瓶猩々のツレでしたけど、実は装束を着ている演者はほとんど濡れない。
なぜなら生身で外に出ているのは、わずか手の甲の一部位、あとは全身すっぽり幾重にも面装束に包まれているので、全く濡れないのです。
ガンダムやエバンゲリオンの中に入って身体を操縦している感じに近いかな。
足は舞台が濡れていると、足袋が引っかかったり滑るのでわかります。
面かけるとほとんど見えないので、曲により、飛んだり跳ねたり、クルクル回ったりなんて時は、こりゃ危ないなんてこともありますね。


というわけで、基本雨の中ではやらないというわけでした。






虫干し

今年も約一週間に渡り矢来能楽堂の夏の虫干しがありました。
一千点はあるだろうの面装束小道具の総点検でした。
今は、冷房が使えるのでとても助かりますね。
昔は本当にカラッとした日にしか出来なかったのだろうと思います。
空調様々です。

今年もあんまり夏休みがなく、私は寒川神社薪能とミューズの触れてみよう能楽の世界でお役が続き、夏の間もワークショップでタイトな毎日です。

いささか夏バテ気味なので何か美味しいもの食べて頑張りたいと思います。


ミューズのホームページのToPページの下の方にもPVが、UPされました。
地味ーに皆さん見てくれているようで、嬉しいです(笑)

引き続き宜しくお願い致します。











触れてみよう能楽の世界 IN所沢ミューズ PV出来ました。



今年も所沢ミューズの催しのPVが出来ました。
是非お越しくださいませ。

国立能楽堂夏休みスペシャル

本日は、国立能楽堂の企画公演の夏休みスペシャルで、親子で楽しむ能公演でした。
今日は、子供達に大人気の土蜘蛛。
蜘蛛の巣を投げる唯一の曲です。
売り出してすぐに完売になったとか。
沢山の親子連れがお越しでした。

キャストも親子共演で、観世喜正師のシテで、お嬢様が胡蝶という配役。そんな中で私も頼光役を勤めさせていただきました。

また、太刀持ち役をしてくれた桑田家の坊やは、私と年齢差44歳なのに、身長差1センチの育ちの良さ。
本日は私が烏帽子をしていたので、辛うじて背比べに勝った(笑)

人様のお子さんの成長は早く感じると言いますが、本当にあっという間ですね。

客席や舞台の子供達のエネルギーを受けて、こちらも必死になった公演でありました。

さて明日は九皐会定期公演。
明日も、自然居士は、佐久間君親子の共演。
また、兄、和久が羽衣を勤めます。
宜しくお願い致します。





お暑い中ありがとうございました

九皐会若竹能終了

本日はかなり前に売り切れた人気公演で、桑田君シテの野宮と中森さんシテの葵上。
六条御息所の二つの顔を1日で観れるという事もあり、源氏物語ファンも沢山お越しだった模様。

それにしてもこの猛暑の中、ご来場いただいたお客様には、ただただ感謝のみです。誠にありがとうございました。

本日私は葵上の地頭で、本番や稽古会でも上演頻度の高い演目だけに完成度が求めらるところ。
うまく纏まりましたでしょうか。

次回九皐会若竹能は来年の春を予定してあります。
春ですが花筐を私が舞う予定です。
もう1番は鞍馬天狗の予定です。
詳細は秋頃に出ると思います。

是非またご来場下さいませ。

本日はご来場誠にありがとうございました。








ご褒美かな。所沢ミューズ能楽 子供ワークショップ募集中

毎年夏になると所沢ミューズのワークショップ
の能の稽古にやって来る子供達がいる。

もちろん一度きりの子もいるが、1、2年してひょこりまた顔を見せてくれる子や、もはや夏の行事ように親御さんも楽しみにして毎年参加してくれる子供達もいる。

夏のほんのひと時の付き合いではあるけれど、
小さい子は小学3年生位から参加するので、顔を合わせているうちに親戚の子供の様に思えて来る。
気がつけば10年以上やっているので、はや成人した子も出てきた。

彼らの成長に合わせて劇場もその都度特別に中学生の枠を作り、高校生の枠を作りと、OB枠を作って彼らを育ててくれた。

受験や進学で忙しくなった年長組の彼らが、今年も本ワークが始まる前にひょこり劇場に現れた。

会うたびに逞しく立派になっているので、私や劇場関係者もちょっと嬉しくなる。

年長組の彼らは、さすがにキャリア10年以上なので、初心者の枠に入れられず、個人的に稽古を引け受けることにした。

久しぶりに基礎練習をしてみると、スポーツ選手並みに大きくなり体重も増えた身体には、摺り足はハードらしい。
しかし2時間も汗を垂らしながらやっていると身体が思い出して整ってきた。

では、次は型。
差込き、開きから。。。

錆を少し落として初日の稽古を終えた。


稽古が終わり食事に行くと、なんと彼らはもうお酒が飲めるという。

子供の頃から稽古をしてきた彼らと、まさか酒を酌み交わす日が来るとは思わなんだ。

子供の成長のなんと早いことでしょう。

そんな日に巡り会えるとは、
生きててよかったと、しみじみ思うひと時でした。


さて
今年も所沢ミューズでは、8月21日より子供ワークショップを開催します。
7月末日までにお申し込みです。

初めての子供さんを中心に稽古しますので、
初めてでも安心して私達におあずけ下さい。
学校とは違った、体験が出来ると思います。
難しいことは致しません。
謡ったり、舞ったり、能面を見たり、楽しみながら、素朴な体験をしてもらおうと思っています。
最終日に能の鑑賞と体験発表があります。
是非、お子さんの成長をご覧いただきたいと思います。
なお、この催しは、beyond2020の認証事業になっています。
*beyond2020プログラムは日本文化の魅力を発信するとともに、2020年以降を見据えたレガシー創出のための文化プログラムです。

詳しくは劇場まで→所沢ミューズ






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