能楽夜ばなし

能楽師遠藤喜久の日常と能のお話

白梅 咲く

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暮れに手に入れた白梅の盆栽が一足早く花盛り。

正月準備で賑わう花屋の片隅で小さな花がひっそりと1つ咲いていた。

しばらく様子を見ていたが、梅ねえ。。と呟いて皆素通りした。

さてどうしたものかと眺めていたら

ふと、この木と目が合った気がした。

然らばと持ち帰り水と薬をあげた。


果たして咲くなかなと思っていたが、この一週間、1つまた1つと花が咲いて新春の稽古場に華やぎをもたらしてくれた。

命の芽吹きって凄いものです。お見事でした。


梅というと、和泉式部の軒端の梅、梶原景季の箙の梅、老松の紅梅や胡蝶の梅がすぐに頭に浮かぶが、白梅となるとやはり軒端の梅か、箙の梅だろうか。

今宵は枕元に置いて、木の下の仮寝の夢と洒落こんでみるかな。

はてさてどんな夢が見えるのか。

楽しみ。




御礼 九皐会 初会 翁 

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昨日は、観世九皐会一月新春の定例公演にご来場賜りまして誠に有難うございました。

お陰様で、翁の大役を無事に勤めさせていただきました。誠にありがとうございました。

能の世界では大変に大事にしている演目で、遡れば室町時代の能楽大成の遥か以前より伝承された神事の演曲です。
観世流では重習奥伝という最高位に位置する演目となっており、まさにその名の通り秘事口伝伝承で伝えられてきた特別な演目。
本来、一門の当主、長老が演じる別格の演目なのですが、観世九皐会矢来能楽堂の定例公演では、矢来能楽堂で観世喜之師匠の元に住込み内弟子修業してきた者が、生涯一度の大役として翁の披き(初演)のお役目をいただき勤めを果たすのが今までの慣例となって続いて来ておりました。
私の場合は、翁の千歳の初役を師匠にいただいてから、実に30年目。平成と共に過ごした舞台人生の節目となる今年でした。

そうしたことで九皐会の一年の最初を飾る神聖な舞台を仰せつかり、まさに一世一代生涯一度の覚悟で臨んだ舞台でした。

年明けの新春の定期公演という事で、半年間リザーブ席のお客様も多く、チケットは昨年発売初日に完売しました。
あまり宣伝する間も無く席が埋まり、また曲が曲だけにブログなどで多くを語ることも出来ず終いでしたが、ご覧いただきました皆様、応援してくださった皆様に、厚く厚く御礼申し上げます。
誠にありがとうございました。

兄が一昨年に披いた時に心の準備はしておりましたが、昨年秋頃より本格的に師匠に稽古をつけていただき、お囃子方と下稽古をさせていただいたりしながら準備を進めて、暮れ頃から色々な方にお声がけいただき、またお気遣いいただいたり、ご指導を賜ったりしながら、徐々に皆様の祈りが私に集まってくるのを凄く感じておりました。

他の演目では感じたことのない、私事ではない曲の重みというのでしょうか。
物語の一役を演じるということとは違う曲の大きさと、事の重大さをヒシヒシと感じておりました。
この曲は、本人私のものにあらず公のものであるという思いを新たにしました。

とにかくも皆様の思いや祈りを、私の失態で無駄にせぬようにと思いながら稽古を重ねておりました。

前日、大粒の雪が舞い落ちて来た時には、私の慣れぬ潔斎に雪でも降ったかと、ひやりとしましたが当日は皆様の祈りが天に通じたか如く天気も収まり降水確率0%には驚きました。
滞りなく無事に済みましたのは、一重に皆様のおかげ、天の加護と、心より感謝申し上げる次第です。

ともかくも無事に済み安堵いたしました。
まさに心は万歳楽です。

昨日のシテ方の布陣は、ずっと稽古をつけてくださった師匠観世喜之先生が主後見にお座りになり、兄が副後見で面倒をみてくれまして、大先輩長山禮三郎さんが地頭、喜正若師匠が副地頭となり、楽屋内では、諸先輩にご指導いただき、後輩方にも細々とお気遣いいただき本当心強く、一門の皆様に大変お世話になりました。これもまた大変有難いことでした。
そして翁に集中出来るように年明けから稽古を控えくれた私の社中の方々にも感謝したいと思います。

ブログ上ではありますが、お客様関係者の皆様への感謝を書き記しておきたいと思います。
誠にありがとうございました。


早速に駒井カメラマンから映像が来ましたので、まずはワンカットご披露させていただきます。

追伸
渡辺カメラマンの写真もトリミングして載せますね。
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ありがとうございました。










謹賀新年

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あけましておめでとうございます。
元日の東京は快晴で、気持ちの良い年明けです。
今年も矢来能楽堂から一年をスタートしました。
新年初会にて翁を勤めますので、暫くこのブログもお休みしますが、今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
皆様にとって良き一年になりますように。

ゆく年くる年

ようやく社中の最期の稽古も終わり、これから遅ればせながら新年を迎える準備です。
振り返ると今年は、社中の二十周年大会が国立能楽堂でありましたし、請負の舞台も例年になく多く、なかなか休みが取れなかったので、体調管理にとても気を遣った一年でした。

しかしながらお陰様で今年は、大きな怪我や病気もなく、不思議と風邪もひかずに一年を過ごせたのが何よりでした。

今年もこのブログをご覧いただきました皆様、お付き合い下さいました皆様に厚く御礼申し上げます。

新春一月の九皐会定期公演では、翁の太夫を仰せつかり、また三月三日には、九皐会若竹能にて花筐を勤めさせていただきます。
大役が続きますので、まだその先の予定まで考えが及びませんが、目の前の舞台をしっかり勤めて参りたいと思います。
明年もどうぞよろしくお願い致します。
本年も誠にありがとうございました。

皆様どうぞ良いお年を!

謡曲史跡保存会さんよりのお知らせに驚き

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今年もいよいよあとわずか。
謡曲史跡保存会さんから解散のお知らせが届きました。
驚きとともに大変残念な思いです。
私が能の史跡を探し当てて、訪れる度に、かならずそこには史跡保存会さんの建てた駒札があり、嬉しく思っていました。
史跡に着くと、まず保存会さんの駒札を探すのが習慣でした。
私のブログやホームページの旅行記も度々登場していただきました。

便りの記事の中にも書いていただきましたが、亡き父六郎も、保存会の旅行に度々同行をさせていただいたので、参加した史跡巡りの時の写真や記録もあり、駒札を見ると父もここに来たのかと、親しみが湧きました。

そして駒札を立てるまでの企画、交渉、資金集め、旅行会の運営、だよりの発行、駒札建立など、民間の活動としては様々なご苦労もあっただろうと、並々ならぬご努力とその偉大な功績に感謝していました。

この度、会員の高齢化などにより四十年の活動に幕を閉じるとの事。

誠にお疲れ様でございました。

全国に141基の駒札を建てられたとが、便りに書いてありました。
そして、またいつの日か保存会が新しく生まれる事を切望しますとありました。

今は.ただ、会員の方々の四十年の活動に心より感謝御礼を申し上げる次第です。
そしてこの記事を目にした人の中から、新しい活動の火が灯る事を願っています。

本当にありがとうございました。











冬至

今週前半は再び出張で横浜から福井、舞鶴と転戦してきました。長旅でしたが、これで年内の出張も無事全て終わり、ホッとしました。

今年も1万人以上の子供達に能を見てもらうプロジェクトにあちこち参加しましたが、どこに行っても子供達は一生懸命見てくれるのが嬉しかったです。
いろんな土地に行き、多くの出会いもあり日本再発見の一年でした。
まだまだ知らない素敵な所がたくさんありますね、日本には。

そして、どこに行っても能楽を文化的価値あるものとしてしっかり見てもらえるというのは、やっばりこの国の素晴らしいところだなと思います。

年内は私はあと東京で1公演となりました。
そして、社中の稽古を年末までして、年が明けるといよいよ九皐会会 初会の翁ですね。
粛々と日々を送りたいと思います。

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今日は冬至
ゆず湯に浸かって、長い夜はぐっすり眠りたいと思います。












本年の九皐会巡回公演終了。お世話になりまして誠に有難うございました。

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長崎から島原に移動。
イルカのいる海が目の前の学校で、今年の九皐会巡回公演は無事全て終了。
最終公演に参加出来て良かったです。
爽やかな海の景色に安堵が広がりました。

関係者の皆様、本当にお世話になりました。

ありがとうございました。


元気な子供達と大いに盛り上がっての公演で我々も楽しかったです。


島原は昔、普賢岳災害鎮魂の新作能公演で来た以来でした。その時は鈴木啓吾君と二人で天使の役でした。


すっかり復興していて、人の生きる強さをあらためて感じました。


下の写真は宿近くのメガネ橋。

水面に写ってほんとにメガネに見える。


そして恒例、ご当地ラーメン巡り。宿近くの 郡来軒さん美味しかったです。今回は野菜も取れるから、ちゃんぽんをよく食べました。すっかり気に入りました。本場の味は、うまさ格別。



さて、残り5公演。次は横浜で地謡です。



今日は、長崎も寒かったです。

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長崎市大村市立竹松小学校にて、本年最後のシテでした。
体育館のアリーナ公演でした。
年内の出張公演はまだ続きますが、私の担当は一応終わりなので、無事に終わりホッとしました。

東京での舞台を含め年内の出演は、あと6公演とカウントダウン。ようやく終わりが見えて来ました。
そしてそれが終わると正月の翁です。
最後まで気を引き締めて参りたいと思います。



佐世保に来ました。

本日は佐世保市立歌浦小学校にて九皐会文化庁主催公演でした。
立派なアリーナ特設舞台になりました。
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今日は船弁慶のシテを勤めさせていただきました。
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本土最西端にほど近い学校で、狂言、能、ワークショップと盛り沢山の一日でした。

学校公演は、各学校から教育委員会に申請をしていただき実現するので、多くの学校行事を縫ってこの催しを実現させてくださる先生方の「生徒達に生の伝統芸能を見せたい!」という熱意が伝わって来て、とても嬉しく、少しでも応えたい、伝えたいと思います。

今日も子供達が熱心に観てくれました。

帰りは子供達に手を振られて学校を後にしましたが、とても爽やかな気持ちになりました。
出会った皆様に厚く御礼感謝申し上げます。

能楽師走る 平成三十年の九皐会納会 そして翁へ

早いもので今年の毎月の九皐会定例会も本日無事終了いたしました。
一年間、ご来場賜りました皆様、誠にありがとうこざいました。
今日は人数物の七騎落という曲で、喜之先生と喜正師、和歌さんの三代共演で、楽屋も賑やかでした。もう一番は健之介君の九皐会での初シテでした。
また将来能楽師を目指す若い子達も楽屋に働きに入るようななりまして、皆揉まれながら自然となじんで行くのだなと、自分の若い頃を思い出しました、

矢来能楽堂は、裏の楽屋の改修工事が明日から始まり、子供の頃から出入りし、内弟子で住み込んだ楽屋とも今日でお別れでした。
意外と感傷はなくて、次の未来が楽しみな自分でした。

納会が済みますと年内もカウントダウンに入りますが、今年はまだ学校公演が残っており、あちこちと飛び回ります。私はあと二番ほどシテを勤める予定です。最後まで頑張って行きたいと思います。


さて来年平成31年の九皐会定例の一月公演では、早いもので、いよいよ翁の太夫を勤めさせていただきます。

丁度30年前の昭和最後の正月。即ち平成元年正月の定例会は、昭和天皇御崩御の弔意を表し神歌法会の式となり、その千歳を勤めまして、翌平成二年の正月に師匠 観世喜之先生の翁の千歳役させていただきました。
あれからあっという間に30年経ったのだなと、しみじみ思います。

その後何度か千歳の役はさせていただくことになるのですが、平成五年に三度目の千歳の時、今度の鼓の頭取を勤め下さる鵜沢洋太郎さんが、その時の脇鼓で、頭取が人間国宝の鵜沢寿先生、もう一人の脇鼓が私の鼓の師匠でした鵜沢速雄先生でした。
鵜沢家三代の鼓で、その時お勤めいただいたのが印象深いです。

初めての千歳の時は、当時住み込み修行中でしたので、喜之先生に何度も稽古をつけていただき、また鵜沢先生が初役を心配してくださって、鼓の稽古の後に当時稽古場にされていた鐵仙会の稽古場で稽古をつけていただいたのが忘れられない思い出です。

速雄先生は恐ろしい程の裂帛の気合いで、間違えたら生きて帰れないような気がして、必死に叫んで舞っていたように記憶しています。
それを、たまたま事務所におられた先代の観世銕之丞先生が、おっ、何かやってるなと覗きに来られて、何も仰らずに、見て見ぬ振りをして微笑んで去られたのも懐かしい思い出です。
(その当時、父は鐡仙会の定期公演に伺っていたので、公演でご一緒させていただくことも多かったので今よりも交流がありました。)


当時を思い出すと、若い頃は口から心臓が出るような思いを何度もしましたが、今になれば良い勉強をさせていただいたなと思います。

あの頃の師匠方の年齢を自分が既に越したのだと思うと、己の未熟さに恥じ入るばかりですが、精一杯勤めを果たしたく思います。

数日前、洋太郎師に来ていただき、翁の稽古をさせて頂きましたが、30年前の緊張が蘇るような思いがしました。やはりこの曲は特別の中の特別なのだなと思った次第です。
無事に新春の舞台に出演し勤められる事を祈るばかりです。

どうぞよろしくお願い致します。

久しぶりの投稿で、長文になり失礼しました。

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